| …引きずり込ま
れた直後に放り出されることは分かっていたから、今度はきちんと着地できた。 靴を履いたままなのに部屋の中に放り出すなよな…とぼやきながら、マニゴルドは帽子とマスクとサングラスとついでに靴も脱いだ。今すぐ会議に参加しに行 くべきか、いやまずはアテナに帰還報告すべきかね…と考えていると、堂々と土足のまま部屋に戻ってきた八雲紫が尋ねて来た。 「首尾は上々だったらしいけど?」 「ああ、上々だよ。双子神様の無事も確認できたし証拠も手に入ったし、ついでに俺が未来世界に行ったって言う証拠もある」 「ふぅん…小さな神様の無事を確認しただけでなくその証拠も手に入れたの。神様に見つかってはいけない約束は破ってないと思うけど、一体どうやったのかし らね」 「さぁ、これで残る問題はあと一つだな!」 あっち側の世界の双子神様にも見つかるなとは言ってねーだろ?と開き直ろうかと思ったが、下手な事を言って彼女の機嫌を損ねたらまずい。マニゴルドは慌 てて話を逸らした。 何かしら?と言いたげに首を傾げる女にマニゴルドは言葉を続けた。 「双子神様がいつ戻ってくるのか、だよ。その辺の相談、出来たのか?」 「………………」 八雲紫は無言で白い封筒を差し出した。 「何だ、これ?」 「私が『あちら側』の神様に宛てた手紙の返事よ」 「はぁ…俺が見ても良いんだな」 一応確認してマニゴルドは封筒を開け、中身に目を通した。 流れるように上品な文字を目で追い、最後の一文を二度読んで、彼は何とも複雑な顔で八雲紫を見遣った。 「…アンタ、『タナトス神に馬鹿にされた』って言ってたけど、それって誤解だったってことか?」 「結果的にそうなるわね」 「結果的って…」 「『あなたが何者であるかは瑣末な事』って言われたら馬鹿にされたと解釈するでしょ、普通は」 「んー…まぁ確かに、褒め言葉と解釈するには無理があると思うけどよ。タナトス神がアンタをスゲー奴だと認めてたって事は事実なんじゃねーの?」 「まぁ、そこに異論はないわ」 八雲紫は満更でもなさそうに少しだけ口元に笑みを浮かべ、マニゴルドが一番知りたい情報を口にした。 「あちらの神様も『出来るだけ早く』と言っているし、明日の午前中に小さな神様達を迎えに行くつもりよ。ただ、待ち合わせ場所の店の開店時間もあるから… そうね、時差も考慮すると、小さな神様達がこの世界に戻るのは大体お昼頃かしら。念のために言っておくけど、あくまでも『大体の予定』よ」 「OK、分かった。あちらさんの了解が得られて突発的なハプニングがなければ、大体明日の正午頃にはタナトス様ヒュプノス様が帰ってくるってことだな」 「そう解釈して結構。…そうだ、私からも確認したいことがあったわ」 「何だ?」 「神様達はどこに返せばいいのかしら?あなたや神様の上司が集まっているあの場所は、神の結界が張ってあるから私の力は及ばないの。建物の門の前にでも送 り届ければいい?」 「いや、それはまずいだろ。そうだな…」 マニゴルドは少し考えて顔を上げた。 「神の結界を解いてもらえば、皆が集まってる会議室直通で神様達を返す事は出来るか?勿論、俺らはアンタに一切の手出しをしないと言う条件の上で、だ」 「ええ、可能よ」 「ならそれで頼むわ。結界を解くことを神様達が拒否するとは思えねーし…万が一ダメって言われたら、俺が建物の門の前で待ってる。それでいいか?」 「異存はないわ」 八雲紫は掴みどころのない笑みを浮かべるとスッと空間の『目』を開いた。 「今日は御苦労さま。また明日お会いしましょう…では、ごきげんよう」 金髪の女が空間の裂け目に姿を消すと、異空間への境界は閉じて空に消えた。 …何だか一気に脱力しつつ、マニゴルドはアテナに帰還報告をするため電話を取った。 城戸財閥の施設の会議室で、皆はマニゴルドの到着を今か今かと待っていた。 帰還報告の電話を入れて大急ぎで施設にやって来たマニゴルドが会議室のドアを開けた途端、皆の声が飛んできた。 「やっと戻りましたかマニゴルド。それで、どうだったのです?」 「タナトスとヒュプノスは!無事なのか?!」 「誘拐犯はどうした?」 「何だよそのハンズの袋?タナトス様とヒュプノス様の無事を確認しに行ってたんじゃないのか?」 「ふたりは?元気だったの?」 「手掛かりのひとつは持ち帰ったのだろうな!」 「っだぁーーーーー!!!皆いっぺんに質問すんじゃねーよ!俺だって混乱してるんだからよ!順番に話すからちょっと落ち着け!漫画か映画みてーなトンデモ ねぇ事が起きてんだからよ!!」 バン!! マニゴルドがテーブルを叩いて喚くと、皆が渋々口を閉じてそわそわと落ち着きなく椅子に背を預けた。 そんな皆をぐるりと見回して、マニゴルドは一度深呼吸して努めて静かに言った。 「結論から先に言うぜ。双子神様は無事だ。誘拐された先で元気にピンピンしてて、ついでに楽しくやってる。誘拐犯は明日の昼頃までに双子神様を返すと言っ て た。直接会議室に返したいから神の結界は解除しておいて欲しいそうだ。…で、双子神様の無事を証明する証拠を俺は二つ持ち帰った。まず、これがひとつ目」 質問する隙を与えずにマニゴルドは携帯を取り出した。 怪訝そうな顔をする皆の前で留守電の再生ボタンを押すと、録音されたメッセージが流れた。 『現在お預かりしている伝言は、一件、です。一件目の、伝言。今日の…』 『………』 『…ハーデス様…初めまして、が適切でしょうか。冥王臣下の片割れ、死を司る神タナトスです』 その声に皆が驚きの表情を浮かべた。 この場にいる大半の者が聞き覚えのある、『大人の』タナトスの声だ。 しんと静まり返った会議室に録音されたメッセージが流れた。 『此度は俺の不注意であなたの臣下が行方不明になる事件を起こすことになってしまい、大変心苦しく思っております。あなたの臣下たる双子神はこちらの世界 の俺とヒュプノスが責任持ってお預かりいたします。今しばらくお時間を頂く事になるかと存じますが、スティクスに誓って、あなたの臣下は必ず無事にお返し する事をお約束致します故、どうかお心を乱されませぬよう』 『伝言は、以上、です』 メッセージを聞いた皆は驚愕の表情を浮かべたまま、訳が分からないと言う顔を見合わせた。 最初に口を開いたのはハーデスだった。 「一体これはどういうことだ?今のは確かにかつてのタナトスの声だが…。『あなたの臣下たる双子神』、『こちらの世界の俺とヒュプノス』とは一体…」 「その質問に答える前にこの写真を見てくれ。何枚かあるから全部見てくれよ」 マニゴルドは『あっち側』の世界のタナトスから貰った双子神達の写真を表示して携帯をハーデスに差し出した。 全く状況を飲み込めないまま携帯を受け取ったハーデスは、小さな双子神が並んでピースをしている写真に口元を綻ばせ、次の写真を見て我が目を疑った。 ハーデスの反応に、パンドラとラダマンティスが遠慮がちに携帯の写真を覗きこみ、同じように目を丸くした。 …タナトスが、ふたりいる。 聖戦で星矢に殺される前の大人のタナトスと、生まれ変わった子供のタナトス…。 次の写真は大人のヒュプノスと子供のヒュプノスが並んで映っていた。 ハーデスは驚きで絶句したまま、携帯をアテナに渡した。 一体ハーデス達は何をそんなに驚いているのかと不思議そうだったアテナも写真を見るなり息をのんだ。 「こ…これはどういう事なのです?タナトスも、ヒュプノスも、ふたりいる…!」 「ええっ!?」 星矢と星華、サガとカノンも携帯の写真を見て目を丸くして、無言のままマニゴルドに携帯を返して説明を求めるように彼を見つめた。 マニゴルドは一度こめかみをグリグリと押して口を開いた。 「どこから話せばいいのか分からないので最初から話しますわ。今朝、誘拐犯様が俺を訪ねてきました。空間を移動するヘンテコな技で直接俺の部屋に 入り込ん でいたんです。詳しい経緯は端折りますが、奴はどうやら俺に用事があるようで、こっちが何かしない限り逃げ出す気はないようでした。俺が『お前は何モン だ?』と尋ねると、奴はこう言いました。『私は八雲紫。様々な世界と曖昧に繋がる別世界、幻想郷に棲む妖怪よ。大妖怪なんて言われているけど大した力はな いわ。精々ありとあらゆる境界に干渉する程度の力』と」 「妖怪…と言うと、冥界に棲む魔物のような存在でしょうか」 「うむ。余が奴を見た時にタルタロスに棲む魔物に近しい雰囲気を感じた理由もそれで得心が行く」 「…それで?」 「それから奴は別の世界のタナトス神がとか意味不明な話を初めて、俺が『アンタの話は全く理解できない』と言ったら、今度は『あの神様達は、こことは違う 時間が流れる世界…俗に言うパラレルワールドにいる、って言ってるだけだけど』と言いやがりました」 呼吸すら忘れたようにマニゴルドの話に聞き入っていた皆がそこでざわついた。 「パラレルワールド…だと?」 「そんな世界が存在するのか?その女が嘘を言っているのでは…」 「では、タナトス様とヒュプノス様が二人ずつ映っている写真は合成された偽物だと?マニゴルドの携帯のメッセージも作りものだと?」 「それは…」 「俄かには信じがたいが、二神がこの世界にいないのなら、三界が総力を挙げて捜索しても双子神の目撃情報一つ出て来ない理由が説明できる…」 「マニゴルド、続きを」 「は」 沙織に促されて、マニゴルドは八雲紫の話の内容と、彼女の力で放り込まれた『異世界』で見聞きしたことを順を追って話した。 皆は真剣に彼の話に耳を傾け、話が終わる頃には『小さな双子神は境界を操る妖怪の力でパラレルワールドに誘拐された』と言う突拍子もない話を事実として 受け入れていた。 長い話を終えたマニゴルドは、渇いた喉を水で潤してハンズの袋から超特大やわ戦ぬいぐるみを出して皆に見せた。 「で、これがその『未来の異世界』のハンズで売ってたぬいぐるみです。特設コーナーでアニメとテーマソングまで流すような人気キャラクターらしいですが、 こんなものこの世界には存在しないでしょう?」 「確かにこんなインパクトのあるキャラ物見つけたら覚えてそうだけど、全く見覚えが無いな」 「なんだかたれぱんだみたいな印象のキャラクターね…」 「あ、あとこれ。ハンズのチラシとレシートと…未来の年号が入った百円玉です」 マニゴルドがぬいぐるみを買った時のレシートとハンズのチラシと、平成二十四年の百円玉を差し出すと、皆は順繰りにそれを見て驚いたり唸ったり眉間に皺 を寄せたりした。 「確かにレシートの日付は2012年だわ…」 「このような物、現在の世界ではまだ作られていないな…」 「レシートやチラシはともかく、国が鋳造する貨幣まで偽造する理由があるとは思いにくい…。信じがたい事ではあるが、本当にタナトス神とヒュプノス神は異 世界に誘拐されたのだな」 「これだけの物的証拠があるのです。マニゴルドが誘拐犯に幻を見せられた可能性はない、彼が見たこと聞いたことは全て事実で現実であると考えて良いでしょ う。…それは、つまり」 皆を見まわし、沙織が凛とした声で言った。 「誘拐犯が言った『明日の正午頃までには双子神をこの世界に返す』という言葉も信憑性が高いということです」 「………!」 「ふたりを確実に返してもらうためにも、明日の朝からこの建物の結界は解除します。ですが、その誘拐犯を全面的に信用する事は出来ませんから、今から建物 の周囲や星矢の家、マニゴルドのマンションも聖闘士に警備させましょう」 「聖闘士が護衛の任務に回るのなら、冥闘士達には引き続きふたりの捜索を続行させよう。万が一という事もある故な」 「結局現時点で俺達が出来るのは待つことだけか。ま、昨日に比べればだいぶ気は楽になったけどな」 星矢が頬杖をついて本音を呟くと、漸く緊張が解けたらしい皆が微かに笑みを浮かべて頷いた。 マニゴルドの話の内容は確かに突拍子もないものだったが、それが本当だと信じられるだけの証拠がある。その事実は、双子神が必ず無事に帰ってくるという 安心感にも繋がっていた。 誰よりもふたりの身を案じていたハーデスはほーっと安堵の息を吐き、どこか淋しそうに呟いた。 「それにしても、その妖怪は何故、余ではなくマニゴルドにタナトスとヒュプノスの無事を見せようと思ったのだろうな…。ああいや、頭では分かっておるぞ。 余はアテナの結界の中にいた故に、その妖怪は余に接触することすら出来なかったのであろう。神である余の前に姿を見せて交渉の間もなく捕まる事を警戒した のであろう。それは分かる、分かるのだが…。………」 「あー…何かすいませんね。双子神様に一番会いたいのはハーデス様っすよねぇ…」 かなり真面目にひしゃげている様子のハーデスの姿に何となく申し訳ない気分になったマニゴルドが謝罪すると、冥王は淡く苦笑して首を横に振った。 「気遣いは無用だ、人間よ。異世界に放り込まれたのが…いや、犯人に会ったのが余であったら、そなたのように冷静な対応は出来なかったであろう。感情に任 せてその女に神罰を与え、下手をしたら殺してしまったかもしれぬ。そんなことになれば、タナトスとヒュプノスを取り戻す術すら失われていたかもしれぬ。先 ほどの言葉はただの愚痴、忘れてくれ」 「………、………」 「明日にはふたりが帰ってくる、それだけで余は十分だ」 「………」 マニゴルドは口を開いたが、何を言えばいいのか分からずに口を閉じた。 異世界のタナトス神は、『自分達がハーデスに心配をかけている事を小さな双子神がひどく心配していた』という意味合いの事を言っていたが、それを告げた ところでハーデスはますます心を痛めるだけだろう。 皆が心配そうな顔で自分を見ていることに気付いたハーデスは、努めて明るく微笑んで見せた。 「さて、明日の昼までは余がここにいても出来る事は何もないな。重要な情報が手に入ったことだし、余は一度冥府に帰還して、ペルやヘカーテや冥闘士達にこ の事を伝えてこようと思う。構わぬな、アテナ?」 「ええ」 その程度の事、冥王ハーデス自らが動かずともラダマンティスに命じれば済む話だ。しかし今は何か行動せずにはいられないのだろう…そんなハーデスの心情 を察したアテナが頷くと、彼は穏やかに微笑んで椅子から立ち上がり、どこか心ここにあらずの顔で会議室を出ようとして。 ずべっ!! ローブの裾を踏んで盛大にスッ転び。 ごち!! 「あべしっ!!」 ニブイ音と同時に悲鳴を上げた。 たちまちパンドラとラダマンティスが真っ青になって床にノビている冥王に駆け寄った。 「ハーデス様!!」 「大丈夫ですか、ハーデス様!お怪我は?!」 「だ…大丈夫だ、額をぶつけただけだ…」 「…ハーデス様さぁ…」 よろよろと起き上がった冥王の傍らにしゃがみ込むと、マニゴルドは心の底から本気で心配している顔と声で言った。 「悪い事は言わねーからさ、冥府への連絡はその三巨頭様に任せてアンタはここで双子神様の帰還を待ってた方が良いと思うぜ。ひょっとしてもしかしたら今日 中にあのふたりは帰ってくるかもしれねーし。な?」 「…う、うむ。そうだな」 マニゴルドの提案に異議を唱える者は誰もおらず、ハーデスが苦笑しながら立ちあがってテーブルに手をついた…途端。 ピシリ。 豪華な木製のテーブルの真ん中に亀裂が入り、ワンテンポ遅れて真っ二つに割れた。 ガゴン!!ドゴッ!! 直後、割れて倒れたテーブルがマニゴルドとサガの足の上にマトモに落下した。 …いかな黄金聖闘士と言えども油断している時は無防備で、鍛えてはいるが痛覚は一般人と大差ない。 つまり、予想外のハプニングで足に豪華なテーブルが落ちてくればナチュラルに痛いのだ。 「ってぇーーーーーー!!!」 「……………」 マニゴルドは思わず絶叫し、サガはあまりの痛みに言葉を失った。 唖然とする皆に、ハーデスが慌てて言った。 「あ…ああ、すまぬ!大丈夫か?!」 「どうなさったのですハーデス様?小宇宙が不安定になっておられるようですが…」 「タナトスとヒュプノスを心配している事で余の精神状態が不安定になり、小宇宙の制御が上手く出来ていないようだな…」 「なるほど…。おふたりの無事の帰還がほぼ確定してもそれとは。確かにハーデス様ご自身が動かれるのは控えたほうが良いようですね」 「あのさ皆様!冷静な分析は良いから俺達の足の上に落っこちてるテーブル、早くどけてくれませんかね!!」 マニゴルドが涙目で絶叫すると、あまりの出来事に呆然としていた皆がハッと我に返った。 「あ、悪い!すぐどかすぜ!」 「お手柄なのに災難だったな蟹座…」 「豪華なテーブルも善し悪しだな。ラダ、そっち持ってくれ」 運よくテーブル落下の被害を受けずに済んだ男性陣の星矢とカノン、ラダマンティスがテーブルをどかそうとしたが何しろ大きくて重い。抱え上げるだけなら 一人でも問題ないが、狭い部屋で大きなテーブルを抱え上げるのは危ない。沙織や星華やパンドラに割れたテーブルをぶつけては大変なので、カノンとラダマン ティスが協力してサガの足の上に落ちたテーブルを慎重に持ち上げ始めた。そんなふたりの姿を見て(テーブルを壊した責任を感じていたのだろう)、星矢がマ ニゴルドの足の上からどかそうとしていたテーブルの反対側をハーデスが持ち上げようとした。 「テーブルを壊してしまったのは余だからな、手伝うぞ」 「え?いや、ちょっと待っ…」 嫌な予感がした星矢が止めようとした時には既に遅く。 バキッ!! 半分に割れたテーブルが更に半分に割れて。 ドゲシィッ!! 馬鹿でかいテーブルの破片が星矢とマニゴルドの足の小指にクリーンヒットした。 「「どぉえーーーーーーっ!!」」 「ああっ!す、すまぬ…」 最早残骸になったテーブルを片手で掴んだまま、動揺したハーデスは思わずカノンとラダマンティスが運んでいたテーブルに手をついた。 ビシ、バキッ! 不吉な音と共に半分になったテーブルが更に割れて、ドスッ!!というニブイ音と共に無駄に大きな破片がサガとカノンとラダマンティスの足の上に落ちた。 「っ………!!」 「……………」 「うがっ!!」 三人が足を押さえて絶句し、女性陣とハーデスがオロオロする中、マニゴルドが足を抱えて本気の涙目で叫んだ。 「冥王様!アンタもう何もするな!王様なら王様らしく座ってろ、頼むから!マジで!!」 「あのさ、俺、思うんだけど。テーブルじゃなくこの建物まで壊されたら困るから、ハーデス様にはタナトス様とヒュプノス様が戻るまで聖櫃に入ってもらって た方が良いんじゃないかな。それか、沙織さんの結界の中に入っててもらうとかさ」 「賛成」 「異議は無い」 星矢の台詞に、聖闘士達は真顔で深々と頷いた。 …あの時の星矢の眼は本気でした、と全てが終わった後にアテナは証言したと言う。 |
| 星矢部屋 | 総合目次 | SS・2012時代 | SS・神話時代 | SS・蟹座達 |
| 余り解説する事
はないかな…の26話です。頂いた挿絵の、パンドラさんの胸の谷間と涙目になってるマニさん+カノンと、オロオロしてるハーデス様が素敵ですvV ハーデス様がローブの裾を踏んでスッ転び、「あべしっ!!」と悲鳴を上げるシーンは21話の蝶様双子神のシーンと同じにしました。世界は違えど、『親 子』で同じ事やってる…と、SSを読んで頂いている方にクスリとしてもらえたらな、と思いまして。 今回、蝶様のリクで入ることになったネタは二つです。『八雲紫がコンタクトを取って来たのは何故自分ではなくマニさんなのか…とガッカリするハーデス様 +それを見て申し訳なく思うマニさん』と、『双子神不在が心配すぎて小宇宙が不安定になり、テーブルを壊して皆の足の上に落としてしまうハーデス様』です (当初はハーデス様がスッ転んで、マニさんが「じっとしてたら?」というシーンで終わりの予定でした)。テーブル落下の被害を受けるのは誰が良いですか? とお伺いしたところ、『お約束でマニさんと星矢、意外なところでサガ』とお返事を頂きまして、いつの間にかエスカレートして男性陣全員がテーブル落下の被 害を受ける羽目に…(笑)。きっとハーデス様は部屋の隅で小さくなってる事でしょう(笑)。 さて、これで蝶様世界の皆様の出番はエピローグまで無い予定なので、ちょっとさびしくもあり…。次の27話はヒュプヒュプコンビがお茶をしながらだべる 話です。 |