拍手お礼SS
| むかしむかしの神話時代。 アテナとの聖戦など誰も予想していなかったその頃、冥王夫妻と双子神の午後のティータイムはありふれた光景…。 ベルセフォネー 「タナトスとヒュプノスって外見はそっくりだけど中身は全然違うわよね」 ハーデス 「本当にそうだな。見事なまでに正反対だ」 双子神 「母がそのように我々を産んだからでございましょう」 ベルセフォネー 「タナトスは可愛くないこと言ってもどっか可愛いのに、ヒュプノスが可愛くない事言うとほんっっとに可愛くないもんねー」 ヒュプ 「………」 ハーデス 「そんな事を言うな、ベルセフォネー!ヒュプノスが泣くではないか!タナトスは馬鹿でズレた発言をするから可愛く見えるのだ、ヒュプノスは物事の分析が適切すぎるから可愛く見えないだけなのだぞ!」(悪気ゼロ) 双子神 「………。実家(タルタロス)に帰らせて頂いていいですか…」 ハーデス 「何故だーーーー!?」(素) 冥府は今日も平和です。 |
| むかしむかしの神話時代。 テセウスと言う名の(一応)英雄と、ペイリトオスという名の王様がいました。二人は訳あって妻を亡くし、今は独身。新しく妻を娶って今度こそは幸せな結婚生活を送りたいと願いました。そこまでは普通。 しかし彼らは普通ではありませんでした。ぶっちゃけバカでした。どれくらいバカかというと。 テセウス 「幸せな結婚生活を送るためにゼウスの娘を略奪しよーぜ!」 ペイリトオス 「お前、天才☆」 テセウス 「とりあえず冥妃ベルセフォネーをゲットだぜ!冥妃を嫁にしたら俺達きっと不死身だぜ!冥王ハーデスはトロいって有名だから略奪も簡単だぜ!」 ペイリトオス 「お前、天才☆」 そしてバカ二人は冥妃を攫うべく冥界へ。 バカでも英雄は英雄、アケローン河の渡し守カロンをしばき倒してさらに奥へと…。 それを見て我を忘れるほどパ二くったのはこちらもなかなかバ…純粋で天然の冥王ハーデス。即座に臣下の神を呼び集めました。 ハーデス 「緊急事態発生だ!手の空いている者は今すぐ余の神殿に集まってくれ!」 緊急事態なのに手の空いてる神だけ集めんの? と、内心で突っ込みつつも集まったのは忠臣双子神、ヒュプノスの息子達オネイロイ、たまたま冥府に遊びに来ていた争いの女神エリス。 集まった神々を見まわして、冥王ハーデス様は真剣な顔で言いました。 ハーデス 「緊急事態だ」 タナトス 「それは今聞きましたが」 ヒュプノス 「手の空いてる者だけ集める緊急事態とは一体何です?」 ハーデス 「人間の英雄と王が、わが妃ベルセフォネーを略奪しに冥府に来ているのだ!これを緊急事態と言わずして何という!早急に対策を立てねば!案を出してくれ!」 エリス 「追い返せば?」 ハーデス 「あ………」 一件落着。 …に、なりかけましたが。 大神ゼウスが「冥妃を奪いに来るような不届き者を追い返すだけで済ますんじゃねーよ、ちゃんと罰しろボケ!(意訳)」と言ったので、座ったら一瞬で諸々の事を忘れてしまう『忘却の椅子(超強力接着剤つき)』に二人を座らせて放置する、という罰を与えたのでした。 |
| むかしむかしの神話時代。 奥様一筋のハーデス様でも魔が差す事はある。うっかり魔が差してニンフと浮気をしたものの、速攻で冥妃にばれてシメあげられて、足腰立たなくなるまでボコボコにされて、もう二度と浮気はしませんと誓いを立てて数日後。 冥妃ベルセフォネーは冥王臣下のタナトスとヒュプノス、夢の四神を内密に自身の神殿に呼び出した。 夫の浮気を知って怒り狂う彼女の恐ろしさはまだ記憶に新しく、『次にハーデスが浮気したらあんた達も連帯責任よ!』と言われたばかりの彼らは内心ビクビクしながら神殿を訪ねた。 臣下達を出迎えた冥妃様は皆に椅子を勧めると酷く真剣な顔で切りだした。 ベルセフォネー 「今回、あなた達を呼んだのは他でもないわ。常識的な感覚を持った男性の意見を聞きたいの。言っちゃ悪いけどお父様とかポセイドン伯父様とかアポロンとか、オリンポスの皆は非常識の枠を超えて色々とズレてるから」 ヒュプノス 「引き合いに出された方々の名前からすると、女性との付き合いに関する事でしょうか」 ベルセフォネー 「まぁ…そうね。単刀直入に聞くわ。やっぱり女の子の胸は大きい方がいいと思う?」 双子神+夢の四神 「はぁっ!?」 ベルセフォネー 「ハーデスが浮気した女の子、私より胸が大きかったじゃない」 双子神+夢の四神 「………」 気まずい困り顔で互いを見る臣下達にはお構いなしで、ベルセフォネーは不満気な顔で自身の胸に手を当てぶつぶつと続けた。 ベルセフォネー 「って話をヘカーテにしたら、何て言ったと思う?ニヤニヤしながらご立派な胸を強調して『まぁ確かに、お前の貧相な胸では出来ない事の方が多そうだな』だって。どういう意味よっ!」 双子神+夢の四神 「………(冷や汗ダラダラ)」 ベルセフォネー 「まぁその話はいいわ。最初の質問に戻るけど、やっぱり女の子の胸は大きい方がいい?あ、先に言っておくけど『女性の魅力と胸の大きさは 関係ない』とか『好みの問題』とか、そういう建前的な一般論は却下よ。お父様やポセイドン伯父様が女の子を口説く時によく言ってるから聞き飽きてるしね。 あくまでもあなた達の個人的な意見を聞きたいの」 双子神+夢の四神 「(聞くなよそんな事!)」 冥妃に『常識的でまともな感覚を持っている』と評価されるのは光栄だが、こういう質問は心底本気で困る。 夜の一族の男神達は意外にシャイで潔癖なので、兄弟間でもこのテの話はした事がない。しかも相手が主君の妃では話しにくいとかそういうレベルの話ではないのだが、ノーコメントで逃げ切るのは不可能な雰囲気だ。 ベルセフォネーもその辺の事情は察せるらしく辛抱強く返答を待っているが、そろそろ名指しで意見を言わせそうな雰囲気になってきた。 兄弟の前で個人的な趣味嗜好を告白させられるくらいなら…とヒュプノスは顔を上げた。 お得意の論理的展開でうまく冥妃を丸めこんでくれよ、と皆の期待の視線が集めながら眠りの神は口を開いた。 ヒュプノス 「…あくまでも私の個人的な意見ですが。冥妃様のおっしゃる『建前的な一般論』が一周回って結局は真理であり真実ではないかと」 ベルセフォネー 「つまり?」 ヒュプノス 「自身の好みの範囲内であれば、胸の大きさなど女性を好きになる条件、あるいは要素の一部分に過ぎませぬ。要するに恋愛は理屈ではないと言う 事です。もしも、ですが、あのニンフの胸がベルセフォネー様より貧相だったら、冥妃様は『女性の胸は大きい方が良いのか』などと考えましたか?」 ベルセフォネー 「うーん…」 ヒュプノス 「あのニンフの胸が冥妃様より大きかったと言うのも結果論に過ぎません。まぁ確かに、胸のラインも含めた全体的なバランスからくる容姿の美しさはあるでしょうが、それも結局は好みです。恋愛における好みに常識もマトモも存在しない、というのが私の持論です」 ベルセフォネー 「要するにあなた達の個人的好みなんて聞いてもハーデスの浮気防止には何の役にも立たないと、そーゆーこと?」 ヒュプノス 「身も蓋もない言い方をすればそうなりますね」 ベルセフォネー 「ふぅん…」 ベルセフォネーは顎に手を当てて何か考えていたが、分かったと言って頷いた。 ベルセフォネー 「完全に納得できた訳じゃないけどまぁいいわ。タナトスがずっとだんまりなとこを見ると、あんまり触れちゃいけない話題だったみたいだしね」 タナトス 「今更ですが、こういうお話はご夫婦の間でなさるべきかと…」 ベルセフォネー 「それもそっか。ハーデスの仕事も終わるころだし、ちょっと行ってくるわ」 気になる事は先延ばしに出来ないベルセフォネーが即座に立ちあがって部屋を出て行くと、夜の男神達はほーっと安堵の息をついた。 タナトス 「内密のお呼び出しというから一体何かと思えば…」 モルペウス 「とにかくヒュプノス様グッジョブです」 イケロス 「天然怖ェ…マジで怖ェ…」 オネイロス 「『貧相な胸では出来ない事は何か』って聞かれたらどうしようとひやひやでしたよ…」 ヒュプノス 「その時はタナトスが責任持って説明するだろう」 タナトス 「出来るか!!」 パンタソス 「ところでさぁ、僕が思うにハーデス様は胸の大きな女の子が好きだと思うんだけど」 一同 「?」 パンタソス 「ハーデス様って変なとこで素直だから、馬鹿正直に『妃よ、お前は胸が貧相な事だけが玉に傷だな』とか言っちゃったら大変な事に…」 『ぎゃあああああああ!!!!』 パンタソスが最後まで言わないうちにハーデス神殿から冥王の絶叫が聞こえて、双子神と夢の四神は静かに何かを悟った顔を見合わせた。 パンタソス 「で、どこに避難しよっか」 オネイロス 「タルタロスに帰省するか?」 イケロス 「タルタロスじゃハーデス様が逃げてくるかもよ?」 モルペウス 「では久々にオリンポスなど」 ヒュプノス 「ヘラ様やデメテル様の耳に事の経緯が入ろうものならタダではすまぬぞ」 タナトス 「ならポセイドンの海底神殿だ。あそこは涼しいし、うまい魚も食える」 一同 「異議なし」 …ハーデス神殿の方から『薄情者〜〜』という叫び声が聞こえたような気がしたが、皆それは空耳だと思う事にした。 |
| 昔々の神話時代。 冥界の神もアテナ達オリンポスの神々と普通に交流していた頃。 ヒュプノス 「………(ぼんやり上の空)」 タナトス 「ヒュプノスよ、オリンポスのどの女神に心奪われたのだ?」 ヒュプノス 「なっ…何だそのピンポイントな質問は!!??」 タナトス 「ほう…図星か。俺の観察眼も捨てたものではないな」 ヒュプノス 「ななななな何を根拠にそのような…(焦)」 タナトス 「お前が頬を染めてぼぉっとしているからこれは誰かに恋をしたか、そうなると相手は日々顔を合わせる冥界の女神ではあるまい。さては最近交流があったオリンポスの女神…カリス達の誰かか?」 ヒュプノス 「………(絶句)」 タナトス 「で?オトす自信はあるのか?(わくわく)」 ヒュプノス 「先走るなタナトス!ちょ…ちょっと良いなと思っているだけだ、そんなに騒ぐな!」 タナトス 「ふむ…まあ確かに互いの事も良く知らぬしな。まずは交流を深めねば始まらぬか。…よし、俺に任せろ!」 ヒュプノス 「え?」 即断即決即実行かつ弟思いのタナトスは、ヒュプノスが止める間もなく部屋を飛び出していた。 …しばらくして冥界に戻ってきたタナトスの後ろには。 アレス 「うぉーっす。久しぶりィ、優等生!」 ヒュプノス 「あ…アレス???」 タナトス 「オリンポスの女神の事を探るにはオリンポスの神に協力してもらうのが一番であろう?頼み込んでアレスの協力を取り付けたぞ!(ドヤ顔)」 アレス 「オメーの恋路なんてどーでもいいけど、ダチの頼みだからな。一肌脱いでやるぜ!(ドヤ顔)」 ヒュプノス 「(…正直、余計に話がややこしくなりそうな気がするのだが…)」 …相談中… ヒュプノス 「…という訳で、現段階では少しばかりお近づきになれれば十分だ。だから、くれぐれも(←強調)オオゴトにならぬよう、自然に会う機会を設けてもらえれば良いのだが」 タナトス 「確かにな。周囲が勝手に先走ってくっつけたはいいが、『親しくなってみたら思ってたのと違って冷めました』では洒落にならん」 アレス 「そこは同意だけどよ、カリスは典雅の女神だぞ、典雅の女神。軍神の俺とは対極の存在じゃねーか。そもそも俺が奴らに会う機会がねーよ」 タナトス 「オリンポスで俺とヒュプノスが琴と笛の演奏を披露するから、舞いを披露してくれとか、そんな感じの話で持って行けぬか?」 アレス 「うまいやり方だと思うが、俺が芸術関係にからっきしなのは周知の事実だからな…。…芸術、芸術…(ピコーン)…そうだ、ちょっと待ってろ!餅は餅屋ってな!」 思考と行動が直結しているアレスは双子神が何か言う間もなく部屋を飛び出して。 …アポロンを連れて戻ってきた。 アレス 「俺がダメでもこいつならノープロブレムだ!なんつっても芸術の神、琴の名手だからな!カリス達に舞いを頼むのも自然に出来るぜ!」 タナトス 「ふむ…確かに」 アポロン 「ちょ、いきなり冥府に連れて来て何の話さ?」 ヒュプノス 「(…くれぐれもオオゴトにならぬようにと頼んだはずだが…)」 …説明中… アレス 「ってー訳で、そこの優等生の恋路(予定)に協力してやってほしーんだよ」 アポロン 「協力は構わないけどさ、恋愛成就の貧乏神と言われる僕にそんなこと頼んでいいわけ?」 タナトス 「…そう言えばお前は片思いの相手にフラれることに関しては天才的だったな」 ヒュプノス 「ふたりとも、気持ちだけで十分私はありがたい。色恋沙汰に他人を巻き込むのは心苦しい故、自分で何とか頑張ってみようと思う(アポロンまで絡むと話がややこしくなりそうだ…)」 タナトス 「堅物で不器用なお前ひとりで何が出来る?既に母上との間に子供がいるという、恋愛の足を引っ張る条件がついているのに」 アレス 「確かにそれはでかいマイナスポイントだな。女ってーのはマザコン嫌いだからなぁ…親父を怒らせちまったお前がニュクス様のとこに逃げ込んだって話はオリンポスでも結構有名だし…」 アポロン 「下手したらそれだけでお近づきになる前にお断りされるよねぇ」 ヒュプノス 「………」 アポロン 「その辺うまくごまかしながら会う機会作ってなんて、僕には荷が重いよ。自分で言うのもなんだけど、僕は口下手だから…って、あ!口がうまい奴に協力してもらえばいいんじゃん!ちょっと待ってて、ヘルメス連れてくるから!」 ヒュプノス 「ちょ…」 アポロン 「すぐ戻る!(ダッシュ)」 タナトス 「良かったなヒュプノスよ、お前の為に皆が協力してくれて(にっこり)」 ヒュプノス 「………(オオゴトにならぬようにと頼んだのに既にオオゴトになっている…)」 でも、なんだかんだで、結果的にパシテアと結婚できたヒュプノス。 |
| むかしむかしの神話時代。 アテナとの聖戦など誰も予想していなかったその頃、冥界の神々のティータイムはありふれた光景…。 ヒュプノス 「私が妻を娶ったことで、姉妹達が『タナトスはまだ結婚しないのか』とうるさくて参っております。私に言われても困るのですが…(溜息)」 ハーデス 「タナトス意中の女性はおらぬのか?何なら余が一肌脱ぐが(やる気満々)」 ベルセフォネー 「ハーデスは見守るだけの方がいいと思うわよ。ってゆーか、タナトスに好きな女の子がいても結婚するのは無理だと思うなー」 ヘカーテ 「ヒュプノスが結婚すれば可能性はあるかと思ったが、この調子では確かに無理そうだ」 ヒュプノス 「何故です?」 ベルセフォネー 「めんどくさい小姑がいるもん」 ヒュプノス 「お言葉ですが冥妃様、一族の姉妹は面倒くさくなど…」 ヘカーテ 「小姑というのはお前だ、ヒュプノス」 ベルセフォネー 「(うんうん)」 ヒュプノス 「はっ??」 ベルセフォネー 「ヒュプノスは良く言えばお兄ちゃんっ子だけど、悪く言えば小姑よねー。タナトスの彼女をあからさまに品定めしてケチつけるし、彼女が来てる時にも無遠慮に遊びに行くし」 ヒュプノス 「わ…私は、夜の一族の長兄であるタナトスには相応の女性を…」 ヘカーテ 「その発言からして小姑だっつーの、いい加減自覚しろ。兄貴の恋路の邪魔はするな。それと私の邪魔もするな。私がタナトスをオトしにいくといつもいつも妨害しに来てくれて全くもう(深々と溜息)」 ヒュプノス 「………(言葉にならないショック)」 何だかボコボコに打ちのめされたヒュプノスが神殿に帰ると、娶ったばかりの愛妻が出迎えてくれた。 以前から恋焦がれていて、女王ヘラの危険な依頼を引き受けた事で結婚を許された典雅の女神、パシテア。 パシテア 「おかえりなさい、あなた。ずいぶんとしおれていらっしゃるけど何かあったの?」 ヒュプノス 「実は…(かくかくしかじか)」 パシテア 「あらあら…冥妃様もヘカーテ様も毒舌でいらっしゃるわね」 ヒュプノス 「パシテア…私は小姑なのだろうか…(どよーん)」 パシテア 「そんなことないですわ、あなた」 ヒュプノス 「そ…そうか?まぁ確かに私も少々ブラコンだと言う自覚はあるのだが…」 パシテア 「毎日のように神殿に通い、生活態度を批判し、外でお昼寝していたら連れて帰って食事は睡眠はと心配し、恋人が出来れば厳しく品定めしてケチを つける…それは小姑などではなく立派な姑か通い妻ですわ、あなた(にっこり)。ところでしばらく実家に帰らせて頂いてよろしいかしら?」 ヒュプノス 「………。今日を境に心を入れ替える故、離婚届を卓の上に置いてそういう事を言うのはやめてくれ…」 |
| 星矢部屋 | 総合目次 | SS・2012時代 | SS・神話時代 | SS・蟹座達 |