THE DARKNESS
EPISODE 15:西暦2012年9月17日 サイキッカー部隊基地内射撃訓練場


 的に狙いを定め、引き金を引く。
 一発、二発。
 弾は正確に的の中心を貫通し、自分の腕が訛っていないことを確認して刹那は満足げに微笑んだ。

「なんでこんな時間の無駄使いしてるのさ。サイキッカーなんだから銃なんて必要無いだろ?銃の腕を磨く暇があったらサイキッカーとしての戦闘訓練でもした方が有意義なんじゃないの」
「俺のすることにケチをつけるためだけにこんな所にいるお前の方がよっぽど時間の無駄遣いだと思うが」
「僕はもう自分の力を知り尽くしてるからね。今更訓練なんて必要無いんだよ」

 暇だから、と言う口実で刹那にくっついているエミリオの口調はつっけんどんで表情は素っ気無い。
 が、ゆったりと組んだ指先がウズウズしていることに刹那はちゃんと気付いていた。どうのこうの言って、銃に興味津々なのだ。
 刹那は弾を込め直した銃をエミリオに差し出した。

「撃ってみるか?」
「どうして僕が」
「銃火器はサイキックパワーの干渉を受けないからな。使いこなせれば色々と便利だぞ?今はサイキッカーにも有効な武器も開発されているし」
「へぇ。面白そうだね、じゃあ少しだけ試してみようかな」

 刹那が勧めるからちょっと触るだけなんだぞ、とアピールしながらエミリオは銃を受け取った。
 意外に重いそれに一瞬驚いて、見よう見まねで銃を構えた。

「こう?」
「姿勢が悪いな。あと銃は両手で持て」
「刹那は片手で撃ってたじゃん」
「俺は慣れてるからな。素人は両手で持った方が安定する」
「素人って…」

 ぶつくさ言いながらエミリオは両手で銃を支えた。

「で?」
「取りあえず撃ってみろ。あの的の中心に当たれば完璧だが、外さなければ及第点だな」
「外す訳無いだろ、あんな大きな的」

 エミリオは無造作に引き金を引いて。
 予想外の反動で後ろによろけ、それを予想していた刹那に受け止められてたちまちむくれ顔になった。
 弾は…見事に外れていた。

「ええー、なんでぇ?ちゃんと中心狙ったのに!」
「中心を狙えば外れて当然だ」
「何でだよ」
「サイキックパワーと違って銃弾は重力の影響を受けるからな。撃った位置から完全にまっすぐ飛ぶ訳じゃない。僅かだが放物線を描くからそれも考慮しないと当たらんぞ。ついでに屋外だと風に流されることも考えないと」
「…難しいよ」
「ま、細かい理屈は俺もよく分からんが。要するに慣れと経験とセンスだ」
「身も蓋もないこと言うなよ」

 文句を言いながらエミリオは銃を構え直した。
 …刹那のレクチャーを受けながらどうにかこうにか的に当たるようになって気分が乗って来た時。

「あ、刹那とエミリオかぁ。ガデスは一緒じゃないんだね」

 ブラドの声がした。
 よっ、と刹那が片手を上げて笑顔を見せた。

「何だ?ガデスを探してるのか?」
「うん。基地の方から頼まれてね、戦車とか戦闘機を移動したいから手伝ってほしいって。僕一人じゃ時間が掛かり過ぎるからガデスにも頼もうと思ったんだけど、見つからないんだよね」
「サイキッカー部隊の重力使いをクレーン代わりに使う気か…何様のつもりだ」
「ボランティアも大事だよ」

 刹那は顔をしかめたがブラドは全く気にしてないらしい。
 人が良すぎる感はあるが、この人柄の良さが何かと衝突しがちなサイキッカー部隊と人間部隊のクッションになっているのも事実だった。
 仕方ない、と刹那は髪をかきあげブラドを見た。

「ガデスを見かけたら伝えておく。俺も一応戦車や戦闘機は動かせるから、単純に人手が足りなかったら呼んでくれ」
「ありがと、刹那」
「ガデスならハンターと遊んで来るって出て行ったけど」
「何だ、そうか。…………って何だと!?」

 射撃訓練をしながらエミリオが何でもないことのように言ったので、一瞬スルーしかけて刹那はぎょっとした。

「ハンターと遊んで来る?」
「うん、そう言ってた」
「…司令官から指示でも出たのか?」
「少なくとも僕は何も聞いてないけど」
「ウォンの命令?って聞いたら『俺の命令』って言ってた」
「ええ?」
「つまり勝手な行動に出た訳か」
「最近、ノア以外を相手にする任務がないって愚痴ってたもんね…」

 刹那とブラドは困った顔を見合わせた。
 ハンターを最終的にどうするのか、ウォンから特に指示は出ていない。ただ、言葉の雰囲気から察すると始末するにはまだ早い気がする。無論それはガデスも承知だろうから言葉通り『遊び』に行ったのだろうが…。
 ブラドは心配そうに眉根を寄せた。

「ハンターは強いんだよね?」
「相当な。不確定要素があったとは言えエミリオも一蹴されたし、俺に関しては手の内を全て読まれていたようだった」
「遊びに行ったきり帰って来ないとか、ないよね?」
「不吉なこと言うな」

 さすがに刹那も顔をしかめた。
 ガデスは軽く遊ぶつもりでもハンターは本気で命を取りに来る可能性は十分ある。
 ブラドは心配と不安が半々に混じった顔で刹那を見た。

「刹那、悪いんだけど…」
「………。別にガデスが勝手にくたばっても俺は構わないが、寝覚めは悪くなりそうだな」
「ごめんね。用事が無ければ僕が行くんだけど」
「気にするな。ハンター相手なら俺の方が適任だろう」

 どう言う訳か奴は俺と戦えないらしいからな。
 胸の中で呟いて、刹那はサイキッカー用の銃を手に射撃訓練場を出た。

 

 

 月明かりが照らす夜の街。
 高速道路をまばらな光が走っている。その高速道路の高架下で別の光が瞬いた。光と言うより火花か。
 刹那は紫紺の眼を細め、その光を目掛けて舞い降りた。
 …気配を消して近付いた。
 案の定、ガデスとサイキッカーハンター・マイトが一戦やらかしている。
 実力はほぼ互角か。ガデスに負けず劣らずハンターも接近戦が得意らしく、あの巨体を相手に一歩も引かず殴り合っている。
 機動力はいまいちだが力でごり押せるガデスと、腕力で多少劣るが小回りが利くマイトの戦いは、若干だがマイトが有利に見えた。しかしガデスの一撃のデカさは半端では無い。

(この様子なら命まで取られることは無いだろうが…念のため決着がつくまで様子を見るか)

 夜の闇に真っ白な軍服姿も気配も溶け込ませ観戦モードに入りかけた時、微かな足音が聞こえて刹那は一気に緊張した。
 高速道路の高架下、人が来るような場所では無い。しかも意図的に音を殺した歩き方だ。
 銃の安全装置を慎重に外し、彼は足音の方にそっと近付いた。

「!」

 気配と足音を消してマイトとガデスの戦いの行方を見つめている男に、刹那はっきりと覚えがあった。
 紫がかった青い髪、青で統一された服、生真面目な顔。
 新生ノアの実質リーダー、カルロ・ベルフロンドだ。
 彼が何のためにここにいるのか分からないが、ガデスとマイトの戦いが終わるまで放っておくのはまずいと直感した。いざとなれば実力で追い返すしかない。
 刹那は背後からカルロに近付き、その後頭部に銃を突き付けた。

「新生ノアのリーダーが覗き見か。いい趣味をお持ちのようだな」
「!……あなたも人のことは言えないのでは?」
「可愛い妹と大事な総帥がお家で待っているぞ。さっさと帰ったらどうだ?」
「生憎と、お土産も持たずに帰る訳にはいきません」
「生きて帰るのが何よりの土産だ」
「僕の妹は贅沢なんです。生きて帰るのは当たり前だと言うんですよ。せめて軍のサイキッカーの首でも持って帰らないと…ね!」

 突き付けた銃を払い除けカルロが振り向きざまに回し蹴りを繰り出した。
 攻撃して来るのは予想済み、刹那は後ろに下がって蹴りを躱した。カルロの結界が二人を囲む。…秘密兵器の秘密保持もそろそろ限界のようだ。
 空中で対峙した二人にガデスとマイトも気付いた。
 マイトは表情を凍らせ、ガデスは大袈裟に手を振ってみせた。

「おー!刹公にカルロじゃねーか!奇遇だなぁ」
「そのようですね。彼を倒したら次はあなたの番です、ガデス」
「ガハハハハ!言うじゃねーか甘ちゃんよ。いいぜぇ、そこの出来損ない…おっと違った、秘密兵器を倒せたら相手してやろうじゃねーか」
「刹那が出来損ないだと!?今すぐその発言を取り消せ、さもなくば殺す!!」
「…ちょっと待て、なんでお前が怒るんだよ?…っておうわぁ!!」

 ガデスの言葉が終わる前にマイトは稲妻の剣を振るって襲い掛かっていた。
 文句を言うタイミングを逃した刹那は目の前のカルロに鉾先を向けた。

「命令も無しに動く馬鹿でも雑用には使えるのでな。さっさと連れ帰らせてもらうぞ」
「二人とも帰れない連絡をするなら今の内ですよ」
「ほざけ、屑が!」

 殴り掛かった拳は寸前で防がれた。
 防御の上から捕まえようとした途端蹴り飛ばされた。すぐに体勢を立て直し放たれた水流をバリアで防ぐ。
 続けざまに放った闇の蝙蝠はカルロの撃ち出した水の渦に飛び込んで消えた。即座にダークウェッジを撃ち込んだ。暗黒の槍に吹っ飛ばされたカルロが結界に叩き付けられたその隙に闇の雲を生み出した。
 雲を纏いゆっくりと間合いを詰めた。牽制の水の塊に気を取られた直後、巨大な水球が現れた。
 小賢しい真似を!
 両手に闇を集めた瞬間。

「出でよ!」

 水球の影から水の棘が飛び出して来た。
 集めた闇が散って水流が刹那を襲った。肺に水が入り、思わず咽せた。前髪を濡らす水が視界を遮った僅かな間にカルロが間合いを詰めて来ていた。

(この…!)

 カルロの蹴りをくぐり抜け、その首を掴み上げた。右手に宿した闇で体を貫く。闇が鮮血のように飛び散った。
 …それはイメージ、頭に流れ込む幻。しかしサイキッカーの心はその幻を現実と同じように受け止め自らの体に傷を負う。
 投げ捨てたカルロを刹那が追った。
 手が届く間合いに迫った時、カルロは水の盾を発生させた。
 ハイドロトラップ。その名の通り、殴り掛かって来た敵を罠に嵌める返し技。
 カルロの目の前まで迫った刹那は唇の端を残忍に持ち上げた。…水の壁の向こうで生真面目そうな顔が歪む。

「貴様の手などお見通しだ」

 刹那は右手の闇を短剣に変えて無防備なカルロに撃ち込んだ。
 間合いを詰める。
 急に濃くなった水の匂いに咄嗟に身を守った。

「唸れ!」

 弾ける水流が襲う。バリアは間に合わなかったがまともに食らってはいない。即座に反撃に転じた。
 頭で考えて動くタイプのカルロの癖は、資料として渡された映像で大体把握していた。打撃技が届かない間合いでハイドロブレードを防御された後、彼が取る行動は…。
 バリアが展開した瞬間に一歩踏み込みながら闇を孕んだ手を叩き付けた。
 ガシャーン…!
 薄いガラスが割れるような音と共に障壁は砕け散り、カルロの体が支えを失って崩れ落ちた。

「ううっ…」

 呻きながら片膝を立てて起き上がろうとしたカルロの腹に、刹那は無造作に蹴りを叩き込んだ。声も無く傾きかけた体を髪を掴んで引き上げる。
 青灰色の眼が凄まじい怒りと意志を持って睨んで来た。その眼…決して折れぬ信念を宿した眼、ついでにびしょ濡れになった不快感から猛烈な苛立ちが込み上げて、刹那は優等生じみたカルロの顔を力任せに殴りつけた。
 地面に倒れ込んだカルロの体を踏み付け嘲笑した。

「新生ノアのリーダーと言ってもこの程度か。せっかく復興したノアが崩壊する日が近いと言うのも頷ける」
「ノアは崩壊などするものか!キース様が、キース様さえ…」
「ならば戻ってキースに伝えろ。新生ノアは後2ヶ月も持たん、その後の身の振り方を今から考えておけ…とな」
「な……」

 新生ノアが後2ヶ月も持たないと言うのはマイトの受け売りで何の確証も無かったが、刹那の自信に満ちた態度にカルロの顔にも不安の色が浮かんだ。
 その表情に溜飲を下げた刹那はカルロから足を離して続けた。

「我らがサイキッカー部隊は来る者を拒まん。大人しく投降するならそれなりの待遇で貴様ら新生ノアのサイキッカーも受け入れよう」
「誰が…誰が軍などに!」
「ウォン司令官やブラドは『全てのサイキッカーに自由と平和を』という目的のために動いている。信じるか否かは貴様らの勝手だが、興味があるなら軍まで話を聞きに来るがいい。ブラドお手づからの紅茶と茶菓子で歓迎しよう」

 刹那は余裕に満ちた態度で銃を拾い上げた。
 よろよろと起き上がったカルロに銃口を向け、引き金に指をかけた。

「5秒以内にここから立ち去れ。さもないと、最新最強の対サイキッカー用兵器の威力を貴様の体で試すことになるぞ?」
「………」
「可愛い妹が兄貴の帰りを待っているのだろう?」

 カルロはギリッと歯軋りし、憎しみのこもった眼を刹那に向けたまま飛び立った。
 遠ざかる水の匂いを確認した刹那は眼をハンターとガデスの戦いに向けた。互いに一歩も譲らぬ消耗戦はまだ続いている。
 死ぬことは無いだろうし、放って帰るか。
 そう思ってから、ブラドが『戦車や戦闘機の運搬をガデスに手伝って欲しい』と言っていたこと、そして自分がここに来た目的が『ガデスを連れ帰ること』だったことも思い出した。
 …カルロを一蹴した気分の良さは一瞬で消えて、暗澹として来た。水が染み込んだ軍服も不快感を倍増させた。
 ハンターとガデス。
 口でやめろと言っても無駄だろう、もう言葉で説得するのも面倒臭い。
 刹那は銃を構えた。
 最初はガデスを狙って、彼を怪我させたら雑用に差し支えることに気付き、マイトに狙いを変えて引き金を引いた。
 銃声は高速道路を走る車の音に掻き消されて夜の闇に吸い込まれた。
 電撃を纏った腕から鮮血が飛び散った。攻撃に備えて動き始めていたガデスが足を止め、銃を構えた刹那に気付いて情けない顔になった。
 結界が消え、マイトとガデスが刹那の前に降りて来た。

「おい刹那よぉ、男と男の勝負に水差すなんてマナー違反じゃねぇか?」
「命令も無しにハンターと接触しに行った貴様は軍規に違反しているだろう」
「う…えらく御機嫌斜めだな…」
「断りも無く出かけた同僚をわざわざ呼び戻しに来たら変な野郎に絡まれて、9月も半ばになってずぶ濡れになってお前は機嫌が良くなるのか?」
「そういや、雨が降ってた訳でも無いのに何で濡れてるんだお前」
「水使いと闘ったからだろうが!」

 思わず銃口をガデスの額に押し当てた。
 本当に脳天に風穴が開くかも知れないと直感したガデスは大人しくホールドアップしてヘラリと笑った。

「ん、やっぱりカルロじゃ話にならなかったか、思った通りだ。まぁいいじゃねぇか、お前なら文字通り『水も滴るいい男』だぜ」
「ブラドの用事が無ければ撃たれていたのは貴様の方だ、ふざけるのもいい加減にしろ!」
「じゃあ俺はそいつの代わりに撃たれたのか…?」

 腕から血を流しながら黙って突っ立っていたマイトがボソッと尋ねた。
 完全なとばっちりを食らったハンターをガデスは哀れみの眼で見たが、刹那は自分の行動に何の疑問も持っていないらしい。

「口でやめろと言ったところで貴様らは聞かんだろう。ガデスはこれから用事があるから怪我はさせられん、そうなったらお前を撃つしか無いだろうが」
「………」
「俺が言うのもナンだが無茶苦茶な理屈だな」
「貴様にはあの治癒能力を持つ女がいるから何も問題なかろう。弾が残らないように貫通させたしな」
「相変わらず凄ぇ銃の腕だな。使い方の方向性が間違ってる気がしなくも無いけどよ」
「何か言ったか?」
「いーや何も」
「………」

 もはや色々な何かを諦めたらしいマイトはバンダナを外して包帯代わりに腕に巻き始めた。利き手を撃たれたせいでもたついていると。
 刹那が下ろした銃をガデスに渡して、無言でマイトの腕にバンダナを巻いてやった。白い布があっという間に朱に染まる。

「応急処置にもならんな。さっさと帰ってまともな治療を受けることだ」
「…刹那」
「?」
「パティの母さんが死んだ原因は何だ?」
「………。俺が答える義理は無い」
「リチャード・ウォンに殺されたのか」
「答える義理は無いと言っただろう?知りたければ軍に来るのだな」

 話は終わりだとマイトに背を向けた時。

「刹那!」

 切羽詰まった声に思わず足を止めて振り向いた。
 …初めて会った時と同じ、悲哀と悔恨の入り交じった青い眼が見つめていた。

「…死ぬなよ」
「何?」
「死なないでくれ。…頼む」
「…………」
「おいおいハンターさんよ、真顔で縁起でも無いこと言ってくれるなよ」

 ガデスが冗談めかして笑いながら言ったが、マイトも刹那も全く笑わなかったので、居心地悪そうな顔になった。
 マイトは何か言いたげに、しかし何を言えばいいのか分からない様子で、じっと刹那を見つめながら闇空へと飛び立った。
 一人おいてけぼり状態のガデスは渡された銃で首筋を掻いた。

「あいも変わらず刹那ラヴで意味不明だな、あのボーズ」
「…司令官の言葉を信じるなら」
「あん?」
「あいつは『未来人』ということになる」
「お前…あれは旦那の冗談だろうよ」
「本当に冗談か?360度回って事実と言う可能性は絶対に無いと言い切れるか?」
「んじゃ何か?未来の世界でハンターとお前は超仲良しなお友達で、お前が不慮の事故とかで死んだから、お前を助けるためにあのボーズは時間を遡って来たとでも言う気かぁ?」

 まさかなー、とガデスは笑ったが、刹那はピクリとも笑わなかった。

「案外、それが正解かもしれないな。記憶を無くしては何の意味も無いが」
「おいおい信じるのかよ…」
「11月14日に新生ノアが崩壊したら信じてやってもいいんじゃないか?」

 薄く笑って刹那は飛び立った。
 そんな馬鹿な。
 ガデスは大袈裟に肩を竦めて白い軍服を追った。

 

 

 西暦2012年11月14日まで、あと1ヶ月と27日。


     NEXT    


サイキ部屋
総合目次


 10年前もこのエピソードを書きまして、珍しく(?)あんまり変わってないです。冒頭のエミリオやブラドとの絡み、最後のガデスとの絡みは書き足しです。
 10年前はガデスvsマイトの戦いを妨害してマイトを帰した後で刹那がカルロと戦うと言う流れだったのですが、それってなんか変じゃない?と思って順番 を逆にしました。ガデスが何故マイトの居場所を知っていたのかは謎です(笑)。裏設定ですが、「母の死を知ったショックで宿で寝込んでいるパティを狙って カルロが近付いて来たので、マイトがカルロ迎撃に出向いたらガデスに掴まった」という経緯があります。
 他の細かい変更は、「ガデスがマイトに殺されそうだったのでマイトを撃った→ガデスを撃つと後が面倒(マイト思いっきりとばっちり)」「銃弾がマイトの 腕に残っていたのを刹那がナイフで取り出して包帯で巻く→弾は貫通し、マイトが自分のバンダナを傷に巻く」「刹那、カルロにガチで圧勝→慎重過ぎ+刹那の 能力を知らないカルロvs慎重派相手なら攻めやすい+カルロのデータは把握済みの刹那、ガチの実力差じゃないよ」「カルロの呆気無さにがっかりする刹那→ 殴ったり踏み付けたりすげぇ大人気ない刹那」あたりでしょうか。
 あとは、刹那「ハンターを始末しろと言う命令は誰が出した?」ガデス「俺」→ガデスに銃を突き付ける刹那→ガデス「すいません嘘です」の、やり取りが捨てがたかったのでちょっと形を変えて入れてみました。