| 翌朝。 双子神(子)は寝坊もせずきちんと自分で目を覚まし、冥界の神々皆が揃って朝食を取り、朝食後の紅茶を飲み終わる頃にはもう出発の時間が迫っていた。 タナトス(大)が八雲紫を上手く口説き落としてくれればまた会えるだろうと頭では思っていても、双子神(子)と別れる事は寂しいらしく、ハーデスやヘカーテも言葉少なだった。 …神の力を封印して服も着替えた双子神(大)は、リビングに戻って来ると異世界の自分達を見遣った。 「ではそろそろ出発するが…やり残したことはないか?」 「あとはハーデス様とヘカーテ様に挨拶するだけ、だろうか…」 「ん…この世界の皆にはいろんなものを貰ったから、私達からも何かお礼が出来ればいいのだが」 「そんな気遣いはしなくて良い。ふたりがまた遊びに来てくれることが一番の礼だ」 「そうか…じゃあ、また遊びに来る約束の証に何か渡しておこうか?」 「そうだな、何か丁度いい物…。あ!」 自分達の鞄を開けて中をごそごそ探していた双子神(子)は、パッと顔を輝かせて小さな巾着を取り出した。巾着の口を開けて逆さに振ると、タナトス(子)の手には黄色いビー玉、ヒュプノス(子)の手には透明なビー玉が転がり出た。 ふたりはそれぞれ、大人の自分自身にそのビー玉を差し出した。 「これは、地上で暮らし始めた俺とヒュプノスが一緒に買った初めてのものなのだ。タナトス、また会おうの約束として、このビー玉を渡しておくぞ!」 「思い出と記念の品だから約束の証に丁度いいだろう」 「分かった。確かに預かったぞ」 「ああ、約束だな」 約束の証を受け取った双子神(大)は何気なくそのビー玉を光に翳した。どうやら玉の内部に傷が付いているらしく、黄色のビー玉はその傷が六芒星に、透明なビー玉は五芒星に見えるのだ。 …正に我々の約束の証だな。 柔らかな笑みを浮かべて、預かったビー玉を大切にポケットに入れた双子神(大)はふと顔を見合わせた。 「ならば、我々からも約束の証を渡さねばならぬな」 「そうだな、何が良いだろうか。ゆっくり考えている時間は無いからすぐ用意できるものでなければいけないが…」 「俺達はお前達から色々貰ったし、改めて何かを預かる必要はないだろう」 「うむ。タナトスから貰った指輪もあるしな」 「そうだな、これでいいのではないか?」 「それは約束とは関係なくお前達にあげた物だろう。しかし他に丁度いい物を探す時間も無いか…」 双子神(子)が服の襟もとから取りだしたペンダントヘッドにした指輪を見て双子神(大)が納得しかけた時、ハーデスがふと手を打った。 「その約束の証、以前タナトスが余とヒュプノスへのプレゼントに用意してくれたあの腕時計はどうであろう?」 「え?」 「…ああ」 「「腕時計?」」 「そう、余と兄上達の揃いの腕時計だ。しばし待て、確かこの辺に…」 ハーデスはごそごそと戸棚を探し、あったあった…とにこにこしながら揃いの腕時計が三つ入った箱を出して来た。 冥王は箱を開けて双子神(子)に中身を見せながら言った。 「地上に遊びに行く時にでも余とタナトスとヒュプノスで揃いでつけようと思っていたのだがな、見ての通り余は碌に動けぬ身。エリシオンの中で揃いで付けても面白みがない故、仕舞ったままになっていたのだ。これを持って行くが良い」 「えっ…いいのですか、そんな大事な物を?」 「タナトスがハーデス様にプレゼントしたものなのでしょう?」 「戸棚の中に閉じ込められたままでいるより、そちらの世界の余とそなたらで付けて我々を思い出してくれた方がきっとこの時計も嬉しかろう。そうであろう?タナトス、ヒュプノス」 「ええ、そうですね」 「ハーデス様が回復されたら改めて時計をプレゼントする故、気にせず持って行け。ガキが一丁前に遠慮などするものではないぞ」 「…じゃあ、お言葉に甘えて」 タナトス(子)は大事な宝を受け取るような手つきで時計の箱を受け取って、大切に鞄に入れた。 そして、双子神(子)はついと身体を伸ばして、嬉しそうに微笑むハーデスの頬にふたり一緒にキスをした。 「ありがとうございます、ハーデス様」 「またお会いしましょう」 「うむ、待っておるぞ」 「はい!」 「…………」 笑顔で頷いたふたりは、何だか半泣きのような顔で口を噤んだまま突っ立っているヘカーテに歩み寄った。 …ヘカーテが床に膝をついて手を広げてふたりを抱き寄せると、異世界の双子神はハーデスにしたのと同じように彼女の頬にキスをした。 「ヘカーテ様も、色々ありがとうございました」 「機会があったら、私達の世界にも遊びに来て下さいね」 「うん。うん…。………。う…」 ヘカーテは一生懸命笑おうとして、うまく笑えず、唇を震わせるとポロポロと涙をこぼしながらふたりを抱きしめた。 「ふぇ、ふぇぇぇー…ん…」 「あ…」 「ヘカーテ様」 「えぐ…ひっく…」 「………。あ…ヘカーテ様、泣かないでください。きっと、また、すぐ会えますから…だから…泣いちゃダメです、…ぐすっ」 思わずもらい泣きしてしまったタナトス(子)がポケットからハンカチを出してヘカーテの涙を拭くと、美貌の女神は目に涙を浮かべたまま優しく笑った。 「何だ、ひとに泣くなと言いながらお前自身が泣いているじゃないか」 「え…えへへ…」 浮かんだ涙を小さな手で拭ってタナトス(子)が笑うと、ヘカーテはにこりと笑って異世界の双子神の頬に口付けた。 もう一度ぎゅっと抱きしめてからふたりを解放したヘカーテは、ふと思い出したように真剣な顔でタナトス(子)を見つめた。 「…なぁタナトス。物は相談なんだが」 「何ですか、ヘカーテ様?真剣な顔をして」 「お前が大人に戻ってもまだ私がこの世界のタナトスと恋人になれてなかったら、私をお前の嫁にしてくれないか?」 「えっ?」 タナトス(子)は驚いて目を丸くして、声は出さねど驚いているヒュプノス達とハーデスを見て、目を丸くして絶句しているタナトス(大)を見て、しばらく考えてからにこりと笑って答えた。 「…前向きに、検討します」 「え!本当か!?」 「ただし、ヘカーテ様が一生懸命頑張ってそれでもタナトスと恋人になれてなかったら、ですけど…それでもいいですか?」 「それでいい、それでいいぞ!うふふーん、約束だからな!」 「じゃあ指切りしましょうか」 「うん、うん!」 ヘカーテは嬉しそうに頷きながらタナトス(子)が差し出した小指に自身の小指を絡めた。 タナトス(大)は驚きのあまり口を半開きにしたまま、わざとらしく涼しい顔をしている己の片割れを見遣り、昨夜『ヘカーテを冥界以外の誰かの嫁にやるな どとんでもない』と言っていたハーデスがにこにこしているのを見遣り、絶対に何か文句を言うと思っていたのにダンマリを決め込んでいるヒュプノス(子)… タナトス(大)の視線に気付いた途端につーんとそっぽを向いた…を見遣り、頬を染めて本当に嬉しそうにタナトス(子)と指切りしているヘカーテを見遣り、 一丁前に含み笑いをする小さな自分自身を最後に見遣り、口に異物を押し込まれたような顔になり、何かを追いだすように頭を振ってタナトス(子)に声をかけ た。 「さぁチビ助、そろそろ出発しないと約束の時間に遅れてしまうぞ。土産にドーナツも買うのだろう?」 「ん、そうだな。じゃあ…ハーデス様もヘカーテ様もお元気で」 「色々ありがとうございました」 「こちらこそ。とても楽しかったぞ」 「ここで『じゃあさよなら』もなんだから、神殿の外まで見送りに行くとするか」 …ヘカーテの提案に異議の無い皆はぞろそろとハーデス神殿を出て、エリシオンの花畑に嘆きの壁に通じる神の道を開いた。双子神(子)は、ハーデスとヘ カーテふたりとギュッと握手を交わして、寂しさを振り切るように大きく手を振って神の道に飛び込んだ。ヒュプノス(大)がそのすぐ後に続き、後を追おうと したタナトス(大)は僅かに逡巡してから傍らの美貌の女神に目を向けた。 「ヘカーテ様」 「ん?」 「仮に…あくまでも仮に、の話として聞いて欲しいのですが」 「何だ?」 「もしも…もしも俺が、『人間からの信仰を集めて俺の力がヘカーテ様より強くなったら結婚しましょう』と言ったら…あなたは何と答えますか?」 「んー…」 突拍子もない質問だったが、ヘカーテは至って真面目に考え、柔らかく目元を和ませた。 「嬉しい、待ってる…かな」 「そうですか」 タナトス(大)は銀色の睫毛を伏せて微かに唇に笑みを浮かべた。 「…ありがとうございます」 何に対しての礼なのか、告げることも尋ねられることも無いまま、タナトス(大)は先を行った皆を追って神の道に足を踏み入れた。 銀の神が神の道に入った途端に空間は閉じて、ハーデスとヘカーテの眼前には普段と変わらぬエリシオンの花園が広がっていた。 死神と氷の女神の会話が聞こえていなかったはずはないだろうが、冥王は素知らぬ顔でヘカーテを振り向いた。 「…ヘカーテ。余は少しばかり気になることがあって冥界最深部へ行きたいのだが、付き添いを頼めるか?」 「それは構わんが…冥界最深部に何の用があるのだ?」 「あの小さなタナトスとヒュプノスの話を聞いているうちに思い出したことがあってな」 「?」 「先の時代の聖戦で、タナトスを封印した教皇と蟹座の黄金聖闘士なのだが…」 冥王は楽しい悪戯を思いついた子供のような顔で話をしながら踵を返した。 地上を訪れた双子神達は、ミスドでドーナツを買ってから八雲紫との待ち合わせ場所であるエルミタージュ洋菓子店に向かった。 皆は店の前で顔を見合わせ、しばらく逡巡し、タナトス(大)が一度息を吐いてから意を決したように『CLOSED』の札がかかったドアを開けた。 カランカラン。 来客を告げる鈴が鳴ると、喫茶スペースに掛かったカーテンを開けて秋乃が姿を見せた。 「おはようございます、タナトスさん、ヒュプノスさん」 「おはよう、秋乃」 「おはようございます。それで、あの…」 「…皆さん、お揃いですよ」 「皆さん?」 秋乃の言葉に首を傾げながら双子神達が喫茶スペースを覗きこむと、星矢と一輝・瞬兄弟、そして八雲紫がケーキをつつきながら何やら和やかに談笑していた。 双子神達の姿を認めた八雲紫は、いつかと同じとらえどころのない笑みを浮かべて見せた。 「お久しぶりですわね、外の世界の神々」 「ああ、久しいな八雲紫。息災なようで何よりだ」 「おーっす、神様達!おはよーさん!」 「タナトス君とヒュプノス君が帰るって聞いて、じゃあお見送りくらいしないと思って来たんです」 「そうか、ありがとな!」 双子神達は山のような土産を邪魔にならない場所に仮置きして、皆が座っているテーブルに腰を降ろした。 八雲紫は猫のような目を細めながら紅茶のカップを手に取った。 「店長さんやこちらの皆様から聞いたのだけと、あなた方から私に話があるそうね?」 「ああ、そうだ。…どこから話したものか分からぬが、まずは礼と詫びを言わねばなるまいな」 「………?」 怪訝そうな顔をする大妖怪に、タナトス(大)は屈託のない笑みを見せた。 「異世界の我々がこの世界に来ていると聞いた時は驚いたが、色々と楽しかった。面白い経験をさせてもらったことには素直に感謝している。そうだな、チビ共?」 「うむ!とても楽しかったぞ!」 「私も」 「あら。意外なお言葉ね」 「それと、俺の言葉が不適切だった故に貴女に誤解を与えてしまった事は済まないと思っている。我々はてっきり、貴女は大和の神の縁者だと思っていたのでな…八坂や洩矢を介さずに貴女を深く詮索するのは無礼だろうと思っていたのだ」 「ふふ。私とあの神様達はただの飲み友達。それ以上でも以下でもありませんわ」 八雲紫は満更でもなさそうな顔でカップに口を付けた。 悪くない反応に、タナトス(大)は穏やかに笑みを浮かべたまま本題に切り込んだ。 「では、我々も貴女の飲み友達として交流を持っても問題ないと言う事であろうか?」 「…何がお望み?」 「貴女と飲み友達になることだが」 「それから?」 「八坂や洩矢とも飲み友達になれたら更に良い」 「それから?」 「チビ共にもまた会えたら言う事はない」 「つまり私の境界を操る力が目当てなのね」 「その言われようは心外だな。俺は貴女自身も目当てだが」 「あらあら…素敵な彼女がいる男性がそんな事を言っていいのかしら」 タナトス(大)の言葉に八雲紫は紫色の眼を眇めてどこか戸惑いの見える笑みを浮かべた。腹の探り合いが得意な彼女は、死神の直球ストレートな要求に対応を決めあぐねているのだろう。 ヒュプノス(大)と異世界の双子神、聖闘士、そして秋乃は死の神と大妖怪の『勝負』を無言で見守っている。 タナトス(大)はわざとらしく小首を傾げて見せた。 「貴女は面白そうな人…ああ、人ではなく妖怪か…だから、友人として交流を持ちたいと言っているだけだが。どこか問題があるだろうか?」 「困ったわねぇ」 八雲紫はカップをソーサーに戻して苦笑した。 「これといった問題が思い浮かばないから、お断りする理由がありませんわ」 「…………」 「!」 大妖怪の言葉にタナトス(大)はにやりと笑い、ヒュプノス(大)は微かに笑みを浮かべ、異世界の双子神はパッと顔を輝かせてテーブルに身を乗り出した。 「なぁなぁ八雲紫。この世界のタナトスやヒュプノスと友達になるのなら、貴女は俺達とも友達になってくれるか?!」 「あら。私はあなた方を誘拐した犯人ですのよ?そんな私と友達になりたいの?」 「なりたいぞ。私達がこの世界のタナトスやヒュプノスに会えたのも貴女のおかげだしな」 「あらあら、色々と予想外の展開ね…やっぱり神様には敵わないって事かしら」 「では今日から俺達と貴女も友達だなっ!」 双子神(子)が手を差し出すと、八雲紫はどこかくすぐったそうに笑いながらその手を握り返し、双子神(大)とも握手を交わして店の時計を見上げた。 「せっかく神様とお友達になれたのだから色々とお喋りしたいところだけど、それは小さな神様達をお返ししてからの方がよさそうね。『あちらの世界』の皆様がおふたりの帰還を今か今かと待っているでしょうから」 「ああ…そう、だな…」 「うん…」 「…八雲紫。チビ共の荷物がかなり多いから、アレを届けるのと『あちら側』のハーデス様に挨拶をするのを兼ねて我々も同行しようかと思うのだが…出来るだろうか?」 「出来るか出来ないかと聞かれたら、出来るけど…」 タナトス(大)の言葉に、八雲紫は微妙な顔で小首を傾げた。 「小さな神様達は、あちらの世界の神様や関係者が勢揃いしている会議室に直接お返しすることになってるの。そこにあなた達まで同行したら余計な混乱が起きたりしない?」 「こちらの世界の状況はあちら側に伝えているのではないのか?」 「『小さな神様達を今日お返しする』ということは間違いなく伝わってるはずだけど、それ以外の事はどうかしらね…」 「ふむ…」 明らかに気乗りしていない八雲紫を見て、双子神(大)は顔を見合わせた。 あちら側の世界から来たマニゴルドに必要と思われる情報は渡したが、八雲紫の言う通り、この世界の双子神まで何の事前連絡も無く異世界を訪ねては要らぬ混乱が起きそうな気がする。 タナトス(大)は名残惜しさが残る眼で浅く顎を引いた。 「…そうだな。貴女の言う通り、我々が同行したら要らぬ騒ぎが起きそうだ。チビ共の世界のハーデス様へのご挨拶は機会を改めよう」 「ふたりとも、折をみて我々が挨拶に伺う旨、ハーデス様に伝えておいてくれ」 「分かった、伝えておく」 「じゃあ、あの土産はどうやって運んだものかな…」 ヒュプノス(子)が店の一角に山と積まれた土産とドーナツの箱と秋乃に用意してもらったケーキの箱を見て困惑顔になると、八雲紫がにこりと笑った。 「あなた方の世界に運ぶだけでいいのでしょう?その程度の事なら私の力で出来ますわ」 「む、そうか」 「ならば問題ないな」 「では、そろそろ行きましょうか」 八雲紫が立ち上がると、皆が無言で椅子から降りた。 …星矢は寂しそうな顔をしている皆を見回して、殊更に明るくにっこりと笑って見せた。 「じゃ、ミニタナトスサマ、ミニヒュプノスサマ。次はこんなアポ無しドッキリ訪問じゃなくて、事前予約ありで頼むぜ!」 「うむ。その時はまた肩車してくれ、星矢!」 「額ゴンッ付きで?」 「そんなおまけは要らぬわ!!」 大真面目に怒った顔をするタナトス(子)と楽しそうに笑っている星矢を見て、ヒュプノス(子)は一輝と瞬を見上げた。 「私が迷子になった時、探してくれたこと改めて礼を言う。ありがとう。嬉しかった」 「どういたしまして。もしまた、ヒュプノス君が迷子になったその時は、僕達が必ず見つけるからね。…ね?兄さん」 「…ああ」 「その時は頼む」 異世界の双子神はつま先立ちになって聖闘士達の頬に順番に口付けて、寂しさを誤魔化すような笑顔で皆を見つめている龍神秋乃にも口付けた。 彼女はヘカーテがそうしたように双子神(子)をぎゅっと抱きしめた。 「また遊びに来て下さいね。美味しいケーキを作って待ってますから」 「勿論!」 「元気でな、チビ助」 「また会えるのを楽しみにしているぞ」 「ああ!」 「私達も楽しみにしている」 異世界の双子神は皆と固く握手をして、名残を振り切るように大股に八雲紫に歩み寄った。 大妖怪は紫色の眼をスッと細めて手を動かし空間を開いた。 パクリと開いた境界の向こうから無数の黒い手が這い出して来て山のような土産を掴んで引きずり込み、最後に小さな双子神の襟首を掴んだ。 タナトス(子)とヒュプノス(子)はにこりと笑って皆に手を振った。 「皆、色々ありがとう。またな!」 「また会おう」 「またな、チビ助」 「ああ、また」 「まったなー!」 「また会いましょうね」 「またね!」 最後に交わしたのは再会の約束。 黒い手が異世界の双子神を境界の境目に引きずり込むと、八雲紫も軽く手を振って境界の隙間にするりと姿を消した。 ふたりの気配すら消え去った空間で、タナトス(大)とヒュプノス(大)は手の中のビー玉を強く握り締めた…。 |
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| ついに蝶様双子
神が元の世界に帰還エピです。再会の約束にプレゼントを贈り合うネタは初期からありまして、蝶様双子神→当サイト双子神はビー玉と言う事
は決まっていました。当サイト双子神→蝶様双子神に贈るのは、タナトスがモデルをやってるブランドの指輪にするか、SS「感謝ノ心」でタナトスがハーデス
達にプレゼントした腕時計にするか相談して腕時計になりました。なので指輪は1日目の神殿めぐりの時に蝶様双子神にプレゼントしました。 コラボを書き始めた時は「蝶様双子神が元の世界に帰ったらそれが永遠の別れ」という想定で話を書いていたので、「その腕時計(か、腕輪)を填められるよ うになった頃(蝶様双子神が大人に戻った頃)また会おう。神の命は永遠だから、いつかきっとまた会える」みたいな台詞と共に時計か指輪を渡すつもりでいま した。話を進めるうちに「八雲紫と仲直りすれば自由に会えるんじゃ?」というセルフ突っ込みにより方向転換があり、24話のマニさんの去り際の台詞や別れ のプレゼントの存在感はちょっと軽くなっちゃったかなぁ…?と少しだけ残念に思ったり思わなかったり。 そしてタナトスとヘカーテ絡みのエピですが。蝶様に「当サイトヘカーテが『お前が大人になってもry』と尋ねたら(いざとなったら当サイトタナトスが必 ず阻止する確信があると言う大前提で)タナ様は何と答えますか?」とお伺いしたところ、「必ず阻止する確信があれば、(当サイト)タナトスに危機感を持た せるために『前向きに検討します』と答えます」と教えて頂きまして。蝶様ヒュプが文句を言わなかったのは、蝶様タナ様の発言は当サイトタナに発破をかける為と分かっているのと、当サイトヒュプの「お兄ちゃんを取られたくない 気持ちが分かるから」だそうです。当サイトタナとヘカーテの、「もしも俺があなたより強くなったら…」「嬉しい、待ってる」の会話は、1日目の夜にハーデ スとタナトスが会話して寝室に帰って来た後に入れようかと思って、結局ヒュプとの会話を入れて没になったものです。かなーり私の趣味に走ったエピなので入 れていいものかどうか悩んだのですが、ここでなければ入れる機会が無いだろうと思って入れました。 蝶様双子神と星矢達の会話は蝶様にアイデアを頂きました。蝶様ヒュプが、「また迷子になっても…」という瞬の台詞に対して「頼む」と答える、と伺って、 蝶様ヒュプが当サイトの世界の聖闘士にここまで心を開いてくれてたんだなぁ、と嬉しくなりました。八雲紫との和解の会話は自分でも驚くほどすんなりと書け て少々拍子抜けだったりもしました(笑)。そして別れの挨拶は「さよなら」ではなく「また会おう」で! 次の32話はエピローグ前編、蝶様世界の話です。 |