| 鍛冶の神ヘパイストス特製の手枷を懐に忍ばせて、タナトスはコリントス国の王宮を訪れた。 城の門を警護していた兵士達はタナトスの姿を見るなり青ざめた。 冷ややかで清廉な小宇宙を纏った容姿端麗な銀の神。 …身近な者を亡くした事のある人間なら死神の姿を見る機会が少なからずあり、一度でもその姿を目にしたら決して忘れる事は出来ない。 死者を迎えに来た冥王の使いを拒否する事は、王にも英雄にも赦されない。 この城の一体誰を迎えに来たのか…。 門番達は怯えた表情でタナトスから不自然に目を逸らしたまま重厚な門を開け始めた。 「国王のシジフォスに用があって来た」 タナトスの発言に兵士達は驚愕を張りつかせた顔を見合わせ、一瞬遅れて彼の言葉が『国王に取り次げ』という命令だと気付き、年長者らしい兵士が部下を王宮に向かわせた。 部下に指示を出した兵士が、ご案内いたしますとタナトスの先に立って歩き始めた。 無言で後を追う死の神を、兵士達は複雑な表情で見送っていた。 …門番の兵から然るべき者を経て死神来訪を聞いたシジフォス王は、用件の相手が自分だと聞いても取り乱すことも無くタナトスを応接間に通すよう命令した。 大神ゼウスが河神アーソーポスの娘を誘拐する現場を目撃していた事、その情報を使ってアーソーポスと取引をした事、兄弟サルモネウスに復讐するために姪 のテューローを利用した事…神の逆鱗に触れるような行動をした覚えがあるかと問われれば、十分すぎるほど心当たりがあった。だからこそ、神が自分に罰を与 えようとした時にどうやって逃れるかの策も入念に練っていたのだ。 勝算は、ある。 人間の中で最も奸智に長けると称される男シジフォスは、腹を括って死神の待つ応接間に足を向けた。 …死神に名指しで呼び出されたにも関わらず、シジフォス王は怯えた様子は微塵も見せず堂々とした態度で応接間にやってきた。 神をも利用したという命知らずの男だ、今更死神などに狼狽などしないという事か。それとも死を迎えるのが自分だと思っていないのか? 胡散臭い目を向けるタナトスの前でシジフォスは恭しく一礼すると、タナトスの向かいに泰然と腰を降ろした。 「これはこれは、死の神タナトス様。このような辺境までご足労いただいて恐縮でございます。…して、城の誰に御用でしょうか?」 「お前に用があって来たと門番に伝えたはずだが」 「…私、ですか」 シジフォスは愛想笑いを顔から消して目を見開いた。 取り乱して暴れるかと思ったが、王は大きく息を吐いて分かりましたと頷いた。 「私も死すべき運命の元に産まれた人間です。時が来たというのなら大人しくそのさだめに従いましょう」 「…随分と従順だな。人間も王となると死を恐れぬのか」 「勿論、私とて死に対する恐怖はございます。しかし、『コリントスのシジフォス王は死を怖がって死神の訪問を受けた際に見苦しく取り乱した』などと後世に伝えられては末代までの恥。神の定めた運命に抗うなど愚かな真似は致しませぬゆえ、どうぞ冥府へお連れください」 「………」 真剣な眼差しでひたと死神を見つめて言い切ったシジフォスに、タナトスは内心で感嘆していた。 頭の切れる男だと言うから、己の寿命がまだ訪れていない事を察して暴れて抵抗するかと思っていたのに、清々しいほどに潔い。愚かでちっぽけな人間の中にこんなにも肝の据わった奴がいたとは。 …冷酷非情な死の神の心に出来た微かな隙を狡猾なシジフォスは見逃さなかった。 あくまでも低姿勢な態度で遠慮がちに口を開く。 「ところでつかぬ事をお伺いしますがタナトス様。私に残された時間はあといかほどでしょうか?」 「ん?あ、ああ、それは…」 タナトスは口籠った。 不自然に視線を逸らした死神を見たシジフォスは、自分の本来の寿命はまだ訪れていない事を確信した。 何も気付いていないふりをして真摯な顔で言葉を続ける。 「実は、我が国の今年の葡萄酒は過去最高と言われるほど良い出来なのです。最後の晩餐にその酒を飲む程度の時間は有りましょうか?」 「ああ、その程度なら問題ない」 シジフォスの潔さに感心していたタナトスは寛大な気分になっていた。普段なら人間の訴えごときに貸す耳などないのだが、この男は本来の寿命より随分と早く冥府に行くことになったのだし、その程度は大目に見ても良いだろう…そう思って鷹揚に頷いた。 シジフォスは嬉しそうに礼を言い、侍女を呼んで葡萄酒と酒の肴を用意させた。 …侍女が運んで来た『過去最高と言われるほど良い出来の葡萄酒』を、シジフォスはなみなみとグラスに注いでタナトスに差し出した。 「神のお口に合うかどうかは分かりませんが、タナトス様も如何でしょうか?」 「………。何の真似だ?」 「あ…その、冥府に行った時に他の死者達に舐められないよう、流石は国王だった男と言われるような体験をしておきたいなと思いまして。自身を迎えに来たタナトス様を相手に酒を飲み交わしたとなれば、あの世においても一目おかれる存在になれましょう」 「…その図々しさは称賛に値するな」 「勿体ないお言葉にございます。ささ、どうぞどうぞ」 屈託の無い笑顔と共にずいずいと差し出されたグラスを、タナトスは苦笑交じりに受け取った。 まぁ確かに、この男の図々しさと豪胆さは、自分が冥府に戻った時にも冥界の神々への良い土産話のネタになるだろう。 勧められるまま葡萄酒に口をつければ、神々の酒ネクタルには及ばないものの確かに美味だ。 くっと飲み干すと気前よくお変わりが注がれ、さぁどうぞどうぞと酒の肴が差し出された。興味半分にひとつふたつ口に入れてみると、スパイスを巧みに利かせた料理は神のタナトスの舌も満足させるほどに美味い。 ほう、と感心の呟きを洩らすと、シジフォスはますます嬉しそうに微笑んで、もっと料理や酒を持って来いと侍女に命じた。 …シジフォスは死の神を怖がる様子は見せず、自分の今までの人生を面白おかしく話した。 テッサリアの王子として生まれ、いずれ国を継ぐつもりで必死に勉強した事。兄弟に国王の座を奪われた後にコリントス国を作った事。大神ゼウスが河神アー ソーポスの末娘アイギーナを誘拐する現場を目撃し、娘を探すアーソーポスに『自分の領地に清い水が永遠に湧き続ける泉を作る』という条件と引き換えにゼウ スがアイギーナを攫った先を教えた事。武器を持たず丸腰だったゼウスはアーソーポスから逃げる為に岩に化けて彼をやり過ごし、オリンポスに戻った後にアー ソーポス目がけて雷を落とすところまで見ていた事…。 人間に憎まれ疎まれ嫌われた事は数えるのも嫌になるくらい体験したタナトスだったが、死を迎えた人間に歓待されると言うのは初めての体験だった。彼は心のどこかでそれを嬉しいと感じていて、そんな心の緩みが杯を重ねさせ、警戒心を鈍らせていた。 …だから。 「ところでタナトス様。先程からずっと気になっていたのですが、その手枷のような物は一体何でしょうか?やはり冥府の道具なのですか?」 「これか?これは鍛冶の神ヘパイストスの造った特製の手枷だ。死を拒む人間が手のつけられない暴れ方をした時に使う」 不用心にも神の道具を卓の傍らに置いて人間の眼に晒し、問われるままに答えてしまったのだ。 タナトスの返答にシジフォスは危険な光を目に宿しつつ、あくまでも純粋な好奇心から尋ねているのだという態度で質問を重ねた。 「では、その手枷を填められると力が抜けてしまうのですか?」 「そうだな…英雄であっても力を封じられて只の人間程度の力しか出せなくなる故、力が抜けると言えなくもないな」 「ほう…流石は神々の道具、素晴らしいものですね。そのような宝をこの目で見る事が出来るとは…冥府の死者達を相手に自慢できる話のネタがまた一つ増えました。…赦されるならタナトス様、その神具の使い方を人間の私にも分かるように教えて頂けませんか?」 興味津々と言う顔で目を輝かせ、熱心に頼むその姿がオルフェウスと重なった。 すっかり警戒心を解いてしまっていたタナトスは、何も疑うことなく手枷を手に取り自身の手首にひっかけて見せた。 「神々の道具とは言え、人間の使う物と大きな違いは無いと思うがな。このように手に掛けて錠をかければそれでよい」 「なるほど…。大変恐れ多いとは存じますがタナトス様、近くで拝見してもよろしいでしょうか?」 「ああ、構わんぞ」 タナトスが手枷をかけたままの片手を差し出すと、シジフォスはおずおずと近づいてきて死の神の手に軽くかけられた手枷をしげしげと眺め、鎖で繋がれたもう片方の手枷が卓の上に置かれているのを見た、その次の瞬間。 ガチャリ。 シジフォスはタナトスの手首にかかっていた手枷をしっかりと填めるなり、卓の上のもう一つの手枷を引っ掴んだ。 「!?」 予想外の展開が起きた事、更に酒が軽く回っていた事で、何が起きたか理解できずに一瞬反応が遅れたタナトスにシジフォスが掴みかかった。 ガシャーン!! 弾みで卓から葡萄酒の瓶が落ちて派手に砕けた。 反射的にそちらに気を取られたタナトスの手首をシジフォスは必死の形相で捕まえてもう片方の手枷を填めた。 …神の力が封じられた。 気持ちの良い酔いも、シジフォスに対する好意的な評価も、全てが一瞬で消し飛んだ。 「シジフォス、貴様…自分が何をしたか分かっているのか!!」 「ええ、十分に分かっておりますとも。あなたの妹君が定めた寿命より早く冥府に連行されると言う理不尽を拒絶しただけ…正当な権利の主張でしょう?」 「……!!」 「誰か!誰かおらぬか!曲者だ!!」 痛いところを突かれたタナトスが一瞬ひるむと、シジフォスは大声で護衛の兵士を呼び付けた。 王の只ならぬ叫びに武器を手に駆け付けた兵士達は、床に押さえつけられているタナトスの姿を見るなり足を止めた。 シジフォスを訪ねて死の神が王宮に入った事は城中の人間が知っていた。それはつまり、この国の王が死者として冥府に連れて行かれるのだろうと思っていた彼らは状況を全く理解できず、驚き戸惑い部屋の入口で突っ立っていたが。 シジフォスが動かない兵士達に血相を変えて怒鳴った。 「何をボケっとしている!この男は王である私の命を狙い、神を名乗って王宮に入りこんだ不届き者だぞ!さっさと取り押さえぬか!」 「貴様、俺を誰だと思っている!?冥王ハーデス様の片腕、死を司る神タナトスだぞ!」 「………」 「何を躊躇っている!この男が本当に神ならば、人間の私ごときに取り押さえられるはずがないだろう!王の命令が聞けぬ兵はどうなるか分かっているのだろうな!」 銀髪の男が嘘を言っているとは思えない。しかし王に逆らえば今すぐ首が飛ぶ。 兵士達は戸惑った顔を見合わせ、恐る恐るふたりに近づくとおっかなびっくりタナトスの両腕を掴んで立たせ、遠慮がちな仕草で応接間の外に連れ出そうとした。 「シジフォス、貴様…この俺を、死の神であるこの俺を謀ったな!人間が、人間如きが、神であるこの俺を!!」 人間の兵士達に両腕を掴まれて部屋から連れ出されながらタナトスは吠えた。 …信じたのに。 死を恐れぬ人間がいるのだと。死の神を相手に親しく話を出来る人間がオルフェウスの他にもいたのだと、嬉しく思ったのに。 この男の罪を軽くするようハーデス夫妻に口を利いてやってもいいとすら、思ったのに。 所詮自分は、忌み嫌われる死神なのか。 悔しさと屈辱に涙が滲んだ。 「俺を拘束したところで大神の決定は覆らぬ。要らぬ罪を重ね冥界での罰を重くするだけだぞ!神を侮辱する真似をしたらどうなるか…分かっているのであろうな、シジフォス!!」 「…その男、犬小屋にでも放り込んでおけ。暴れるようなら叩きのめせ」 タナトスの怒号に顔を背けてシジフォスは機械的に命令を告げた。 …タナトスは唇を引き結び手枷を繋ぐ鎖をきつく握り締め、兵士に連れられるまま城を歩いていた。 怒りと屈辱で腹の中は煮えくりかえっていたが、怒りにまかせて暴れたところでヘパイストスの手枷を嵌められている今は一介の人間程度の力しかない。神で ある自分が、誇り高き夜の一族の長兄が、人間に押さえつけられるなどという屈辱をこれ以上受け入れられるはずがなかった。 無言無表情のまま凄まじい怒りのオーラを発散しているタナトスをびくびくしながら連行していた兵士達は、城の一角に設えられた、犬小屋というには大きすぎ豪華すぎる建物の前に彼を連れて来た。 話を聞いていたらしい別の兵士が『犬小屋』の鍵を開けると、客人を通すような態度で扉を開けた。 その兵士をひと睨みして中に入ったタナトスは微かに目を見開いた。 質素な作りではあるが椅子と卓が置かれ、きちんと敷布や膝かけも用意してある。 きつい目線を向けると、扉を開けた兵士がビクッと身体を震わせた。 「あ、あの、粗末なもので申し訳ないと思ったのですが、その、何しろ急だったもので、この程度の家具しか用意できなくて…」 「………。『神を名乗って国王の命を取りに来た曲者』に対して随分と寛大な対応だな」 「王はああ仰せでしたが、あなたが死の神タナトス様だと言うお言葉、我々は信じております」 「………」 「我々は兵士です。戦場で何度となくあなたのお姿を拝見しております。神と人間を間違える事はありません」 「………」 タナトスは片眉をそびやかした。 銀の神の怒りオーラが僅かに和らいだのを見て兵士達は口々に言った。 「シジフォス王が大神ゼウス様を謀った事は噂に聞いております。いずれ神罰が下るだろうと皆が噂しておりました」 「王はご自身の頭脳に絶対の自信を持っていらっしゃる。神罰から逃れるためあれやこれやと策を練るだろうと」 「神に対して何と恐れ多い事を、と思っておりました」 「そのような事をすればますます厳しい罰が下るでしょうに」 「…それで?」 タナトスが冷ややかに兵士達の話を遮ると、兵士達はまたビクッと身体を震わせ、顔を見合わせ、急に口籠り、モゴモゴと言いにくそうに口を開いた。 「あの、ですから、此度の事は、王のご命令で、我々の本意ではない事をお伝えしたく…」 「そうです、我々は天界の神も冥界の神も等しく敬っております。それで、そのぉ…」 要するに、自分達は王の命令に不本意ながら従っただけ、神を冒涜する気は微塵もない。だから王のとばっちりで自分達まで神罰が下る事がないように予防線を張っておこうという事なのだろう。 その勝手さに呆れかえったタナトスは、腹を立てるのも面倒になって用意された椅子に身体を投げ出した。 「…心に留めておこう」 死の神のそっけなく短い言葉に兵士達はほっと安堵の表情を浮かべ、必要なものがあればお申し付け下さいと言い残してそそくさと出て行った。 ガチャリ…外側から鍵がかかる音がしたが手枷をかけられた時ほどタナトスの神経には障らなかった。 片手を動かすと手枷を繋いだ鎖がジャラリと冷たい音を立てた。 (死の神である俺の力が封じられれば、寿命を迎えた人間は死者になれぬ。そうなれば冥府に死者がやって来なくなり、ハーデス様やヒュプノスはすぐに異変に 気づくはず。いくら口止めされているとはいえ、俺の身に何かあったと聞けば馬鹿正直なオルフェウスも『タナトス様はゼウス様の依頼を片づけてくると仰せで した』くらい言うだろう。あとは大神が俺にシジフォスを迎えに行かせた事を正直に言うかどうかだが…大地と夜の関係に亀裂を作ってまで浮気の事実の一つを 隠そうとするとは思えぬし…まぁ数日の辛抱か…。シジフォスめ、ただで済むと思うなよ) ここから解放されたらあの愚か者にどのような罰を与えてくれようか…椅子に半ば寝そべって目を閉じ、タナトスは考え始めた。 …扉を叩く音にタナトスは目を開けた。 椅子に身体は起こしたものの扉からは目を逸らして黙っていると、酷く遠慮がちに扉が開いて兵士が食事をのせた盆を持って来た。おずおずと中に入り、お口に合うか分かりませんがと呟いて卓に盆を置くと、またそそくさと出て行った。 温かいシチューにふかふかの白いパン、新鮮な果物が数種類。 『囚人』に出すには豪華すぎるほどの食事だろう。 無論、手を付ける気になどとてもなれずにほったらかしていると、シチューの匂いを嗅ぎつけたのか犬が数匹近づいてきた。 いずれも精悍な顔立ちをして身体もしっかりと筋肉質、毛並みも整っている。王が闘犬か猟犬としてきちんと管理して飼っているのだろうと察しがつく。 動物好きなタナトスは思わず口元を綻ばせ、パンを千切って差し出した。 …犬達が見慣れぬ男を警戒して近づいて来ないので、タナトスは千切ったパンを放り投げた。一斉に犬が投げられたパンに食いつく中、運悪く食いっぱぐれた一匹が誘惑に勝てなかったのかタナトスの近くまで寄って来た。 千切ったパンを差し出すと、犬は躊躇いつつもタナトスの手からパンを貰って飲み込んだ。 「美味いか?」 タナトスの言葉に犬は控え目に尻尾を振って手をぺろりと舐めた。 すっかり気分を良くしたタナトスは、まだ十分に熱いシチューをスプーンで混ぜて良く冷ますと皿を床に置いた。 最早タナトスを警戒するのをやめたらしい犬が嬉々としてシチューを食べ始めると、他の犬も近づいてきて一緒にシチューを食べ始めた。 その犬達の姿に目を細め、タナトスは最後に残った果物を自分の口に入れた。 …しばらくして食器を下げに来た兵士は、舐めたように綺麗になっているシチューの皿と、獰猛な犬達に囲まれて楽しげなタナトスの姿に我が目を疑ったのだった。 |
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話の区切りのいいところまで…と思ったら、「タナトス様手枷で拘束(…と書くと、何か別のナニかみたいですね)」というメインイベントが1話で終わってし
まいましたよ。我ながらびっくりです。原典のギリシア神話でも、冷酷非情で知られるタナトスもシジフォスの潔さと口車にほだされて、つい手枷を自分の手に
かけてしまったのだそうです。 このSSではその辺の下りに説得力を持たせようと思って、「酒と御馳走で歓迎し、潔く死を受け入れたふりをしつつタナトスの心の隙に付け込むシジフォ ス」と、「無邪気に好奇心いっぱいのシジフォスにオルフェウスを重ねて警戒心を解いてしまうタナトス」という構成にしました。1話目の最後にオルフェウス を出していたのでこのへんの流れは自然に出来ました。 そして細かい事ですが、「手錠」ではなく「手枷」です。銭形がルパンを捕まえる時に使うワッパではなく、鋼鉄のリストバンドみたいな感じ。で、両手が くっついてる訳ではなく、枷と枷はそこそこ長い鎖で繋がっています。両手をダラッと下げると地面に引きずるか引きずらないか微妙な長さかな。なんか変な誤 解を受けそうですが、私は手枷好きです(笑)。デスノでLと月が鎖の長い手錠で繋がった時は萌えたよ!手錠(そのもの)に!(笑)何と言うか、手首を拘束 する枷と鎖に色気の香り見たいのを感じるんですな。エロではなく香る色気。 んで、星矢の世界のタナトスは相当強くて、いくら不意を突かれても人間に動きを封じられたりするかなぁ?という考えもあって、警戒を解いていた・酒に 酔っていた・予想外すぎて反応が遅れた…という三つの要素を入れました。あと、片手に枷を填められた時点で神の力が半減した(なので死に物狂いのシジフォ スに押さえつけられてしまった)、という裏設定があります。 もひとつ裏設定。シジフォスはタナトスが口車に乗ってくれなかった時の事も考えて次の手は打ってありました。その手は後のエピソードで公開します。 ちなみにタナトスが拘束されていたのは牢獄説と犬小屋説があるらしいですが、動物好き設定のある当サイトのタナトスが拘束されるなら犬小屋一択ですよ! シジフォスの飼ってる犬はドーベルマンとかシェパードじゃないかな。基本的に飼い主以外には懐かない犬種ですが、当サイトのタナトス様はムツゴロウさんで すから(笑)。 それと、城の兵士達のタナトスに対する話の内容は、当初はもちっと好意的なものにする予定でした。「戦場で重傷を負って苦しんでいた仲間を苦しみから解 放してくれたのはあなたでした」みたいな。ですが、後の別SSに繋ぐことも考えて「神様と王様、逆らったら怖いのは神様だよね」「王様の眼の届かないとこ ろだし神様のご機嫌は損ねないでおこう」みたいな打算で動いたという事にしました。 |