双子神2012・思慕
EPISODE 2


 噂の業務用スーパーに一歩足を踏み入れるなり、ヒュプノスは驚きで目を瞬いた。
 …通路の向こう側が見えない。見える限り延々と陳列棚が並び、箱に入ったままの商品が無造作かつ整然と積み上げられている。興味深々と言う顔で店内を見 回す眠りの神に秋乃がにこりと笑って見せた。

「ね、凄いスケールでしょう?」
「驚きました、予想以上です。まさか反対側の壁が見えないほど広いとは」
「まるで倉庫みたいですよね。じゃ、早速買い物と行きましょうか」
「ああ、カゴは私が持ちますよ。たくさん買うかもしれませんし、カートを使った方がだろうか…ええと、カートは…」
「あそこにありますよ」

 秋乃が指す方を見たヒュプノスは再度目を瞬いた。

「秋乃…あれはカートではなく業務用の台車では…」
「パッと見、そう思うでしょ?あれがこのお店のカートなんです。ヒュプノスさんが子供の姿だったら寝そべれそうな大きさですよね」
「確かに。私だけでなくタナトスも一緒に横になれそうです」

 秋乃の冗談に真顔で言葉を返しつつ、ヒュプノスはカートにカゴを二つ乗せた。
 まずは果物の缶詰が見たいという秋乃の後をついて缶詰コーナーに来たヒュプノスは三度目を丸くした。遠目からは普通サイズに見えた缶詰が、いざ棚の前ま で来て見るととんでもなく大きい。味も素っ気もないデザインのパイナップル缶を一つ持ち上げて裏を見ると、「内容量:2kg」と記載されている。

「これはもう、缶詰ではなくバケツ詰めだな。一体どんな大きなパイナップルが入っているのだ??」
「バケツ詰め…バケツ詰めって…ぷっ…あは、あはは…そ、それに、中身は普通の大きさですよ。たくさん入ってるってだけです…あはは…」
「そ、そんなに笑うことはないでしょう!」
「ごめんなさい、ツボに入っちゃって。お詫びに、このパイナップルのバケツ詰めを買いますね。あとはこっちのフルーツポンチのバケツ詰めも」
「…………。では、次に行きましょうか」

 ヒュプノスは顔を赤くしつつ缶詰をカゴに入れて、さっさとカートを押して歩き出した。
 秋乃に格好のいじりネタを与えてしまった。もうこれ以上失敗するわけには行かない。固く決意したヒュプノスに気付く風もなく、小麦粉の棚で足を止めた秋 乃が品物を選び始めた。聞いたこともないような名前の粉がずらり並んでいるが、うっかり感想を言うと墓穴を掘る可能性があるから黙っていよう…と思いなが ら反対側の棚を見たヒュプノスは首を傾げた。
 小麦粉コーナーのはずなのに米袋が並んでいる。しかも農家が使うような、ゆうに30kgは入りそうな大容量の紙袋に入って、だ。
 玄米を自家精米するこだわりの店御用達なのだろうか。
 などと考えながら『米袋』を眺めていると、小麦粉を選び終わった秋乃が声を掛けてきた。

「何か気になるものがありました?」
「あ、いえ。小麦粉のコーナーなのに米が置いてあるのかと思っていただけです」
「米?」
「あれです」

 指差す先を見たとたんに笑い出した秋乃の姿にしまったと思ったが時既に遅かった。
 笑いすぎて涙目になっている彼女を置いてつかつかと『米袋』に歩み寄り、きちんと眼鏡を掛けなおしてパッケージを見てヒュプノスは違う意味で我が目を 疑った。
 …『天ぷら粉・30kg入り』と書いてある。
 驚いて隣の商品を見ると、『から揚げ粉(中華にんにく味)・30kg』、その隣には『パン粉(オレンジ)・10kg』と書いてあった。

「お弁当屋さん用の、業務用の天ぷら粉やから揚げ粉なんですよ。粉に味がついてるから魚や肉に下味を付ける手間がないんです。こちらのパン粉は、揚げた時 に綺麗なオレンジ色になるように色が付いてるの。これを袋ごとポリバケツに入れておいて、必要な分だけシャベルで掬って使うんですよ」
「…詳しいのですね」
「学生時代にコンビニのお弁当を作る工場でバイトしてたんです。ヒュプノスさんも学生になったらバイトしてみたらどうですか?けっこう面白いですよ」
「私がバイト…考えたこともなかったな。でも、楽しそうですね」
「そうそう。何事も経験です」

 小麦粉の袋をいくつかカゴに入れて、ふたりは調味料コーナーに向かった。
 業務用ビッグサイズの商品がずらり並ぶ中、ヒュプノスは見慣れたカレールーを見つけた。シンプルを通り越して味も素っ気もないパッケージが並んでいるの で、家庭用と同じデザインと言うだけでここでは目を引くのだ。

「あれが、秋乃の言う『まな板みたいな大きさのカレールー』ですか」
「ですです」
「家庭用のカレールーを拡大コピーした感じですね。話のネタになりそうだし、星華姉ちゃんへのお土産にひとつ買うとするか」
「私も買おうかな。カレールーのストックがそろそろなくなるから」
「え?秋乃はそんなに毎日カレーを食べるのか?」

 …腹を抱えて痙攣している彼女を見てヒュプノスは真っ赤になって唇を噛んだ。
 そうだ、普通に考えれば店のスタッフのまかない用ではないか。今日の私はダメだ、秋乃のペースに巻き込まれて思考回路が麻痺している。相手が冥妃でなけ れば、まな板カレールーで照れ隠しの突っ込みを入れてやるのに。
 ヒュプノスは甘口のカレールーをカゴに入れてぶすっと言った。

「秋乃、笑いすぎです」
「ヒュプノスさん、笑わせすぎです」
「…………」
「ああもう、ヒュプノスさんのせいでカレーを食べたくなってきちゃったじゃないですか。今夜のまかないはカレーにしようかな」
「店は早仕舞いしたのでは?」
「あ、そうでしたそうでした。…でも、カレーってたくさん作ってみんなで食べた方が美味しいんですよね。星矢さんやシラーさんに『お友達連れてカレーを食 べに来ない?』って声を掛けようかな…でも、ご飯のためだけに呼び出すのも迷惑かなぁ」
「じゃあいっそ、冥界からも聖域からもメンバーを集めてカレーパーティーはどうです?みんなで色々なカレーを作って、トッピングも用意して、バイキングみ たいに食べ放題にして」
「いいですね、それ!じゃあ早速みんなに声を掛けないと。聖域メンバーには私が連絡を入れますから、冥界メンバーにはヒュプノスさんが連絡お願いします」
「分かりました」

 頼まれるままに携帯を取り出してヒュプノスはハッとした。冥界メンバーに連絡を入れると言うことはつまり、この世界のヒュプノスにも連絡を入れるという ことだ。タナトスに伝言を頼んでもいいが、それはそれで『何故直接連絡を入れないのか』と不審がられるだろう。
 まさかここまで秋乃の計算なのか…いや、この世界の冥界メンバーに私が連絡を入れるのは不自然だから妥当な役割分担だ、どうせこの世界のヒュプノスは何 も気付いていないのだろうし、何事もなかったように電話をかけて話をしたらそれで終了だ。うん、それだけだ。
 無理矢理自分に言い聞かせて、ヒュプノスはえいやっと発信ボタンを押した。
 …長いコール音の後、電話は留守電に繋がった。
 肩透かしを食らったような腹立たしいようなホッとしたような複雑な気持ちにモヤモヤしつつ、仕方なくタナトスに電話をかけるとこちらはすぐに繋がった。

『タナトスだ』
「私だ。ヒュプノスだ。早速だが、秋乃がカレーバイキングパーティーを提案しているのだが…」
『ちょっと待て、早速過ぎるぞ。そもそもお前は今どこにいるのだ、チビ助?秋乃様の名前が出たということは地上か?』
「ああ、そうだが。……?」
『目を放した隙にお前の姿が見えなくなった、探しても見つからぬが何か聞いていないか…と言って、ヒュプノスが俺の神殿まで来ているぞ。何故、お前ひとり で地上にいるのだ?』
「…………」

 言われてヒュプノスはハッとした。
 こちらの世界のヒュプノスがパシテアへのメール返信に夢中になっていたから、腹が立ったその勢いで何も言わずに神殿を出てその足で地上まで来てしまった のだ。何となく、タナトス達には何も言わずとも伝わるような気がしていたのだが…。

『ちょっと待て、ヒュプノスと代わるぞ』
「え」
『…ヒュプノスだ。異世界の私よ、一体どうしたのだ?』

 予想できたはずだが予想できていなかった事態に心の準備をする暇もなく、この世界のヒュプノスが電話口に出てしまった。

『手洗いに行って迷ったにしても地上は…』
「あーあー、もしもし?もしもーし?ぁ…あ…で、電波がっ!!」

 ぷちっ。
 …………。
 …しまった。
 電源ボタンを押さえつけている親指を見てヒュプノスは内心で冷や汗をかいた。いくら返答に詰まったとは言え『電波がっ!!』はないだろう。これではヒュ プノスに怪しまれてしまうではないか…などと考えていると、握り締めた携帯が鳴り出した。
 電話がかかるのだから『電波の調子が悪い』という言い訳は使えない。仕方ない、来るなら来い。何か文句を言われたらこちらも言いたいことを言わせて貰う からな。ああ、言ってやるぞ。ビシッとズバッと言わせてもらおうではないか!
 目を渦巻きにしながらヒュプノスは通話ボタンを押した。

「…はい」
『ああ、繋がったな。電波は良くなったか?』
「…………。おかげさまで」

 電波の調子が悪い、という言い訳をヒュプノスは何も疑わずに信じたらしい。肩透かしを食らってドッと疲れたヒュプノスのささやかな嫌味には気付く風もな く常と変わらぬ声が聞こえた。

『で、一体どうしたのだ?手洗いに行って迷ったにしても地上は行きすぎだと思うが』
「そ…それは、だな…」

 ヒュプノスは大慌てで言い訳を考え、咄嗟に浮かんだ理由を口にした。

「お前とパシテアの時間を邪魔しては悪いと思ってな」
『え?』
「パシテアからメールが来たと喜んでいたではないか。私がいては、妻への返信をゆっくり考えることも出来ないであろう?」
『は??』

 電話の向こうで、頭上にクエスチョンマークを浮かべているヒュプノスが容易に想像できた。この言い訳が苦しすぎることくらい自分でも分かる。ここからど う誤魔化そうかと必死に考えていると、どうやら会話を聞いていたらしいタナトスの声が聞こえた。

『そう言えばこのチビも、俺がいてはタナトスはヘカーテ様とゆっくりすることも出来ぬ、とか要らぬ気を利かせてマニゴルドの家に転がり込んだことがあった な』
『ああ、なるほど…そういうことか。異世界の私よ、お前と過ごす時間を犠牲にしてまで返信内容を考えていたら私がパシテアに怒られてしまう。妻への返信内 容は後ほどゆっくり考える故、そのような気遣いは無用だ。いくら何でも気を使いすぎだろう』
「ん…」

 問題はそこではないのだが…。
 ヒュプノスは口をムズムズさせて言いよどんだ。秋乃は『この世界のヒュプノスは鈍いから、言いたいことはド直球で言え』と言っていたが、ド直球で言いた いことを言うタイミングは逃してしまった気がする。せっかく皆で楽しく集まろうという時にヤヤコシイ話を持ち出すのはよろしくないのではないか。
 そんなことを考えていると、ヒュプノスの複雑な沈黙の意味を全く理解していないヒュプノスが先程よりは明るい声で言った。

『…で、秋乃様が何やら提案されたらしいが』
「あ、ああ。詳しい経緯は端折るが、カレーバイキングパーティーをしないか?という話が出て、聖域と冥界の皆に参加を呼びかけているのだ。基本的な材料は 私と秋乃で用意するから、後は各々が腕を奮って様々なカレーを作って皆で食べようと、まぁそういう企画だ」

 電話をしながら秋乃を見ると、彼女は指でOKサインを作って見せた。聖域メンバーの参加は大丈夫そうだ。

「聖域メンバーの参加は決まったようだが、お前達はどうだ?」
『そのような楽しそうな企画、タナトス達やヘカーテ様が欠席すると思うか?ハーデス様の地上用の肉体も用意する故、会場や開始時間や詳しいことが決まった ら知らせてくれ』
「分かった。また連絡する」

 ホッと息を吐いて通話を切ると、同じく通話を終えた秋乃がにこりと笑った。

「沙織さんに連絡を入れたら、黄金聖闘士の皆さんと星矢さん達に招集をかけるって言ってくれました。会場も、大晦日に使った城戸邸を提供してくれるそうで す。調理器具もまだ置いてあるはずだから食材だけ準備すればすぐカレーパーティーが出来ますよ、ですって」
「冥界の皆も参加するそうです。場所と時間が決まったら教えてくれと言われました」
「城戸邸の掃除と調理器具の準備が終わったらメールするって言われたので、それまでは買い物していましょうか。…カレーって言っても色々ありますよね。 ちょっと変わった材料も用意しておくと面白いものが出てくるかも」
「トッピングもたくさんあった方が楽しいでしょうね。本格的なスパイスも用意した方がいいだろうか?」
「カレーの基本スパイスって何だったかしら…」

 携帯でレシピサイトを見ながら、秋乃とヒュプノスはあれやこれやをカゴに入れていった。



 カレーの材料を一通りカゴに入れたヒュプノスと秋乃は惣菜コーナーの前で足を止めていた。ちょうど昼食時なので、次から次へと惣菜やおかずが補充されて いて、その魅力的な香りに誘われてしまったのだ。『スタッフお勧め!』の札が付いたコロッケを補充したスタッフが試食用のコロッケを二人に差し出した。

「そこの素敵なお姉さん達!スタッフ自信作のコロッケですよ、味見をどうぞ!」
「わぁ、ありがとう。頂きます」
「お姉さん『達』?…ん、これはおいしいな」
「本当、すごくおいしい」
「味がしっかりついてますから、冷めても温めなおしてもおいしいんですよ。お弁当やサンドイッチにもお勧め!よかったらどうぞ!」
「温めなおしてもおいしいんだ。じゃあ、カレーのトッピング用に買って行きましょうか」
「そうですね。作るのに手間が掛かるものは惣菜で済ませてもいいかもしれません」
「ちょうどお昼時だし、お腹も空いたし、トッピングとかメニューの参考にするのも兼ねて色々食べてみようかな〜」

 似たようなことをやりがたる客は他にもいるらしく、店内で買った惣菜や弁当は隣接したフードコートにそのまま持ち込めるスタイルになっている。秋乃と ヒュプノスはフードコート持込用のトレイに気になった惣菜を取り始めた。

「茸入りポテトサラダ?どんな味かしら」
「本場風肉団子か。この、ケチャップまみれの肉団子のどの辺が本場なのであろうな」
「カレーには関係ないけどアメリカンドッグ買っちゃおう!抗いがたい魅力があるんですよね、これ」
「この、『塩味の鶏つくね串(軟骨入り)』はおいしそうだな」
「ねぇヒュプノスさん、磯辺揚げ半分こしません?」
「イソベアゲ?ああ、チクワの天ぷらですか。確かこちらの世界のヒュプノスがチクワ好きだったから、お土産に…」

 買って行きましょうか、と無意識に言いかけてヒュプノスはハッとした。そういえば自分は、この世界のヒュプノスに猛烈に腹を立てて冥界を飛び出してきた のだった。土産など買ってやる義理はないではないか。そう思ってムスッと口を噤んだが、秋乃は気付いた風もなくチクワ天を選び始めた。

「チクワの天ぷらなら手軽に作れるから材料を買って行けばいいんじゃないかしら。で、今食べるのはどの味にします?定番、ウィンナー入り、カレー味、チー ズ味とありますけど」
「カレーやチーズ味の天ぷらですか…しかもチクワの…」
「結構おいしいですよ。私がバイトしていたお弁当工場でもカレー味のチクワ天が入ったお弁当は人気だったし」
「…本当ですか」
「本当においしいですよー。百聞は一食にしかずです、食べれば分かりますよ」

 本当ですか、と尋ねたのは「ヘンテコな味のチクワ天が美味か否か」ではなく「ヘンテコな味のチクワ天が入った弁当が人気なのか」だったのだが…。ヒュプ ノスが複雑な気持ちで惣菜を選んでいると、近くで弁当を買っていた女性達が話す声が聞こえてきた。

「綺麗な人だね、外国のモデルさんかなー?」
「背も高いしきっとそうだよ。女性同士でデートなんて憧れるなぁ」
「こういう庶民的なスーパーで買い物って言うのが一週回っておしゃれだよねー」
「あ、そろそろ行かないと昼休み終わっちゃう〜」

 …日本語が分からない振りをして女性達を無視していたヒュプノスが顔を赤くして呻いた。

「私のどこが女性に見えるというのだ。子供の時ならまだしも!」
「いいじゃないですか。それだけヒュプノスさんが上品で綺麗だってことですよ」
「こんな長身の女性がいますか?!」
「スポーツ界やモデル界にはいるんじゃないかしら。で、どのチクワ天にします?チーズ?カレー?」
「…………」

 秋乃にとってはヒュプノスが女性に間違えられたことよりチクワ天が大事らしい。
 彼女が冥妃でなければまな板カレールーで突っ込みをいれてやるのに。やり場のないモヤモヤをトングをカチカチ言わせることで発散しつつ、ヒュプノスはカ レー味のチクワ天を取った。



 フードコートのテーブルに先程買ってきた惣菜を広げて秋乃とヒュプノスは昼食をとり始めた。一体どんなイロモノかと恐る恐る口に入れたカレー味のチクワ 天は中々美味 だ。ケチャップまみれの肉団子はどこが本場風なのかよく分からない。ケチャップをたっぷり絞ったアメリカンドッグを差し出されるままに一口齧り、お返しに と塩味のつくね(軟骨入り)を差し出して、焼きたてのロールパンに茸入りポテトサラダを挟んで頬張り、テーブルの上でくねる花の玩具(音に反応して花が踊 るアレだ)を突いたりしていると。
 ルルル…。
 テーブルの上に置いた秋乃の携帯が鳴り出した。シラーさんだわ、と呟いて秋乃が通話ボタンを押した。

「はい、秋乃です」
『僕だけど。ちょっと頼みごといいかな?』
「何かありました?」
『カレーパーティーをやるって聞いたフドウとアモールが妙にやる気出しちゃってさぁ。小麦粉はあるかとか何とかっていうスパイスを用意しろとかって煩いん だよ。秋乃は今、スーパーにいるんだよね。ついでに買ってきてもらっていいかなぁ?』
「ええ、構いませんよ。小麦粉ならお店にあるものを使っても構いませんって伝えてください」
『ごめんねぇ、冥妃様にお遣いなんてさせちゃってさ』
「大丈夫ですよ、荷物を持ってくれる方が一緒ですから」
『で、用意しろって言われたものだけど…』

 ナチュラルに荷物持ち要員にされていることに本日何度目か分からない微妙な気持ちになりつつ、ヒュプノスはコロッケを挟んだロールパンを口に入れた。


NEXT


星矢部屋
総合目次
SS・2012 時代
SS・神話時代
SS・蟹座達



 後半のオチは概ね決めていたもののそこまでの流れが中々思うように決まらず、書いては消し書いては消ししているうちに例によって長くなってしまって、前後編の予定が3話構成になりました。なる予定です。
 秋乃が話しているコンビニのお弁当云々は私の実体験に基づくフィクションです、一応(笑)。私の家の近所にも業務用っぽい商品がいっぱいのスーパーがあるのですが、本物の業務用スーパーには行ったことがないので一度行ってみたいなぁと思っています。
 そして、出会った当初はクールビューティーだった蝶様ヒュプが最近はすっかりツンデレになってくれて嬉しい限りです。もっとデレていいのよ!(笑)